クラフトジンおすすめ10選|選び方と飲み方を麻布十番のバーが解説

クラフトジンとボタニカル(柚子・玉露・山椒)

「クラフトジンってどう違うの?」「数ある銘柄の中で、どれを選べばいい?」──近年、世界中で急速に拡大しているクラフトジン市場。地域のボタニカル(草木)を活かした個性的な蒸留所が次々と登場し、ジンはかつてないほど多様な飲み物になりました。本記事では、クラフトジンの定義・選び方・おすすめ銘柄10選・飲み方を、麻布十番のジャズバーTOMIJAZの視点で完全解説します。読み終わる頃には、ご自分の好みに合う一本が必ず見つかります。

クラフトジンとは何か、選び方の4つの基準、おすすめ銘柄10選を麻布十番のジャズバーTOMIJAZが完全解説。季の美・ROKU・モンキー47など、和素材から世界の傑作まで個性的な一本に出会えます。

目次

1. クラフトジンとは|ジンの「第4世代」

クラフトジンとは、小規模な蒸留所で職人がボタニカルにこだわって作るプレミアムなジンのこと。2000年代後半から世界的にブームとなり、現在ジンは「ジンの第4世代」と呼ばれる時代に入っています。

1-1. ジンの定義と歴史

ジンは穀物を原料とする蒸留酒に、ジュニパーベリーを主体としたボタニカルで香りを付けた酒。17世紀のオランダで薬用酒「ジュネヴァ」として生まれ、18世紀のイギリスで現在のドライジンとして確立されました。

20世紀後半までは、ビーフィーター、タンカレー、ゴードンといった大手のロンドンドライジンが市場の中心。これら大手の安定感ある味わいの時代を経て、2009年頃から英国を起点に小規模蒸留所による個性的なジンが次々と誕生し、現在のクラフトジンブームへとつながっています。

1-2. クラフトジンの3つの特徴

  • 少量生産:年間数千〜数万本程度の規模、職人の手で丁寧に
  • 地域のボタニカル:その土地ならではの草木・果実・茶葉などを使用
  • 個性的な味わい:ジュニパー以外の香りが明確に立ち、銘柄ごとの差が大きい

1-3. ボタニカルとは

ボタニカルとは、ジンに香りを与える植物素材の総称。ジュニパーベリーは必ず含まれますが、それ以外は蒸留所ごとに自由に選べます。代表的なボタニカルには以下のようなものがあります。

  • ジュニパーベリー:ジンの主役、爽やかな松葉のような香り
  • コリアンダーシード:柑橘とスパイスの中間
  • アンジェリカルート:土の香り、ジンの骨格を作る
  • レモン・オレンジピール:柑橘のフレッシュさ
  • カルダモン・シナモン:スパイスの複雑さ
  • 桜・柚子・山椒(和素材):日本のクラフトジンの特徴

2. クラフトジンの種類|製法とスタイルで分類

クラフトジンを理解するには、まず製法による分類スタイルによる分類の2軸を押さえると整理しやすくなります。同じ「ジン」でも、製法とスタイルで味わいの方向性が大きく変わります。

2-1. 製法による分類

製法特徴代表例
浸漬法(マセレーション)原酒にボタニカルを直接浸して香りを移すボンベイ・サファイア
蒸気抽出法(ヴェイパーインフュージョン)ボタニカルにアルコール蒸気を通して香りを移すボンベイ・サファイア(一部)
ハイブリッド法浸漬と蒸気の併用、香りに奥行きが出る多くのクラフトジン

2-2. スタイルによる分類

  • ロンドン・ドライ・ジン:辛口・キレ重視の伝統スタイル、最も標準的
  • プリマス・ジン:英国プリマス地方のみで作られる、土の香りが特徴
  • オールド・トム・ジン:やや甘口、18世紀のスタイルの再現
  • ニュー・ウェスタン・ジン:ジュニパー控えめ・他のボタニカルを前面に
  • ジャパニーズ・ジン:和素材を活かした繊細で香り高いスタイル

近年のクラフトジンの多くは「ニュー・ウェスタン」のカテゴリに属し、ジュニパー以外のボタニカルが主役級の香りを放ちます。

3. クラフトジンの選び方|失敗しない4つの基準

クラフトジンは銘柄数が爆発的に増えており、ボタニカルや原産国の違いで個性が大きく分かれます。香りの方向性・度数・産地・飲み方の4つを意識すれば、自分に合う一本が選びやすくなります。

3-1. 香りの方向性で選ぶ

  • シトラス系:レモン・オレンジ・グレープフルーツ。爽やかで初心者にも飲みやすい
  • フローラル系:薔薇・桜・カモミール。華やかで上品
  • ハーバル系:ローズマリー・タイム・セージ。料理を連想させる複雑さ
  • スパイシー系:カルダモン・山椒・胡椒。刺激的でカクテル向き

3-2. アルコール度数で選ぶ

クラフトジンの度数は40〜57%と幅があります。一般的に度数が高いほどボタニカルの香りが鮮明に立ちますが、ストレートで飲むには重く感じる場合も。カクテル用は45〜50%、ストレートやロックなら40〜43%を目安にすると失敗しません。

3-3. 産地で選ぶ

  • イギリス:クラフトジン発祥地、ジュニパーがしっかり立つ伝統派
  • スペイン:シトラスとフローラルが豊か、ジントニック文化の本場
  • ドイツ・スカンジナビア:森のハーブ、土の香り
  • 日本:和素材の繊細さ、桜・柚子・山椒・玉露
  • アメリカ:個性的で大胆、ホップを使ったジンも

3-4. 飲み方で選ぶ

ジンの飲み方が決まっていれば、選び方は絞り込めます。ジントニックで楽しむならボタニカルが華やかな銘柄マティーニで使うなら骨格のしっかりしたロンドンドライ系ロックやストレートなら和ジンが向いています。

4. クラフトジンおすすめ10選|2026年版

ここからは、麻布十番のジャズバーTOMIJAZでも実際に提供しているクラフトジン10銘柄を紹介します。それぞれ個性が際立ち、初めての一本としても、コレクションの一本としてもおすすめできる選り抜きです。

4-1. 季の美(KI NO BI)|京都発のジャパニーズ・クラフトジンの代表格

京都の蒸留所で作られる、日本のクラフトジンを代表する一本。柚子・玉露・山椒・檜・笹など、京都らしい和のボタニカル11種を6つのカテゴリに分けて個別に蒸留し、ブレンドする独自製法。

柚子の爽やかさと玉露のお茶の苦みが際立ち、ストレートでもジントニックでも料理とのペアリングが楽しめます。クラフトジン入門の決定版。

4-2. ROKU(六)|サントリーが作る六種の和素材ジン

サントリーが手がける日本の四季を表現した6つの和素材(桜花・桜葉・煎茶・玉露・山椒・柚子)を使用したジン。比較的入手しやすく、和ジンの入り口として最適。

香り立ちが上品で、特にソーダ割りやジントニックでの親和性が高い。バーだけでなく、家庭でも楽しみやすい一本です。

4-3. モンキー47(Monkey 47)|ドイツ黒い森の47種ボタニカル

ドイツ南部・シュヴァルツヴァルト(黒い森)で作られる、47種類ものボタニカルを使った圧巻のクラフトジン。地元の野生クランベリーを含む、複雑で奥深い香り。

度数47%と力強く、ストレートでもジントニックでもボタニカルの複雑さが際立ちます。世界のクラフトジンファンが必ず一度は通る銘柄。

4-4. ヘンドリックス(Hendrick’s)|キュウリと薔薇の異端児

スコットランド・ガーヴァン蒸留所が作る、キュウリと薔薇の香りが特徴の異端児的ジン。1999年の発売当初から、世界のクラフトジンブームを牽引してきた銘柄です。

ジントニックにキュウリのスライスを添えるのがブランド推奨スタイル。エレガントで爽やか、女性にも好まれます。

4-5. シップスミス(Sipsmith)|ロンドンに復活した小規模蒸留所

2009年、200年ぶりにロンドン中心部に開業した小規模ジン蒸留所として話題となった、現代クラフトジンの象徴的存在。「プルデンス」と名付けられた銅製の蒸留器で職人が手作りしています。

ジュニパーが主役の正統派ロンドンドライ・スタイル。マティーニとの相性が抜群で、クラシックカクテルを楽しむなら欠かせない一本。

4-6. タンカレー No.10|タンカレーのプレミアムライン

大手タンカレーが作る少量生産の最高峰ライン。「No.10」は蒸留所の小型蒸留器の番号に由来。フレッシュなホールフルーツ(オレンジ・グレープフルーツ・ライム)を加えた贅沢な配合。

世界最高峰のジンコンペティション(IWSC)で複数回の最高賞を獲得。マティーニやネグローニの完成度を引き上げる力があります。

4-7. アヴィエーション・ジン(Aviation American Gin)|柔らかく現代的なアメリカ製

俳優ライアン・レイノルズが投資したことでも知られる、米国オレゴン州ポートランド産のニュー・ウェスタン・ジン。ジュニパー控えめ、ラベンダー・カルダモン・橙皮など7種のボタニカルで柔らかな香り。

「ジンの松葉感が苦手」という方の入門としてもおすすめ。カクテルにすると個性が際立つ銘柄です。

4-8. ジン マレ(Gin Mare)|地中海ハーブの個性派

スペイン・カタルーニャ産の地中海風ジン。アルベキーナオリーブ・ローズマリー・タイム・バジル・柑橘など、地中海の食材を思わせるボタニカル構成が独特。

料理とのペアリングに最適で、生ハム・オリーブ・チーズと合わせると真価を発揮。バーでの食事と一緒に楽しむには最高の選択肢です。

4-9. 季のTEA(KI NO TEA)|茶葉の香りを極めた季の美の派生

季の美の蒸留所が手がける、玉露・かぶせ茶・煎茶など宇治の茶葉を主役にしたジン。お茶の渋みと旨み、ジンの清涼感が見事に融合し、和食との相性が極めて良い一本。

ストレートやロックで食前酒・食中酒として楽しむのがおすすめ。日本の蒸留酒文化の進化を象徴する銘柄です。

4-10. 桜尾(SAKURAO)|広島発のジャパニーズ・クラフトジン

広島の中国醸造が作るジャパニーズ・クラフトジン。広島産の柚子・夏みかん・神楽南蛮・赤紫蘇など14種のボタニカルを使用。地元の素材を最大限に活かした、瀬戸内らしい爽やかさが特徴。

季の美よりやや柑橘の甘さが前に出るスタイル。和ジンの飲み比べに加えたい一本です。

5. クラフトジンの飲み方|銘柄の個性を最大限に引き出す

クラフトジンは、飲み方によって表情を大きく変えます。ボタニカルの繊細な香りを楽しむ飲み方を覚えれば、同じ一本から何通りもの味わいが引き出せます。

5-1. ストレート|銘柄の本質を知る

ジン本来の香りを楽しむには15ml程度を小ぶりのテイスティンググラスに注ぎ、常温で。最初の香りを嗅ぎ、舌の上で転がして、ボタニカルの順番(最初のシトラス、次のスパイス、余韻の松葉)を意識してみてください。

5-2. ジントニック|定番にして最高の試金石

クラフトジンの個性が最も発揮されるのがジントニックジン1:トニックウォーター3の比率で、銘柄ごとに合うガーニッシュ(ライム・グレープフルーツ・キュウリ・ローズマリーなど)を変えるのが、現代のクラフトジン文化です。

5-3. ジン&ソーダ|ボタニカルを直球で味わう

トニックの甘苦さを除いたシンプルなソーダ割りは、ジンの香りを最も素直に楽しめる飲み方。和ジン(季の美・ROKU・桜尾)に特に相性が良いです。

5-4. マティーニ|古典の力

クラフトジンを使ったマティーニは、銘柄ごとに別物の一杯になります。シップスミス、タンカレーNo.10、ボンベイ・サファイア──同じレシピでも、ジンの違いが完成形に直結。

6. まとめ|クラフトジンを楽しむための3原則

クラフトジン選びで失敗しないための3原則をまとめます。

  1. 香りの方向性で選ぶ──シトラス・フローラル・ハーバル・スパイシーのいずれが好みかをまず明確に
  2. 飲み方を決めてから銘柄を選ぶ──ジントニック向き、マティーニ向き、ストレート向きは銘柄が変わる
  3. 飲み比べで個性を覚える──同じ飲み方で複数銘柄を試すと、クラフトジンの楽しみが一気に広がる

クラフトジンは、知れば知るほど世界が広がる嗜好品です。本記事で気になった一本を、ぜひバーや酒販店で試してみてください。

よくある質問(FAQ)

クラフトジンと普通のジンの違いは?

クラフトジンは小規模蒸留所がボタニカルにこだわって少量生産する個性派ジンです。大手のロンドンドライジン(ビーフィーター、タンカレー等)が安定したバランス重視なのに対し、クラフトジンはジュニパー以外の香り(柑橘・茶葉・薔薇など)が前面に立つ「個性」が魅力です。

初めて買うクラフトジンのおすすめは?

和素材を使った「季の美(KI NO BI)」または「ROKU」がおすすめです。柚子・玉露・山椒など日本人になじみの深い香りで、ジントニックでもストレートでも楽しめます。世界的には「ヘンドリックス」(キュウリと薔薇)も入門の定番です。

ジントニックの黄金比は?

一般的にジン1:トニックウォーター3が基本比率。ただしクラフトジンの個性を活かす場合はジン1:トニック2.5でやや濃いめが好まれます。トニックウォーターはフィーバーツリーやシュウェップスのプレミアム系を使うと完成度が劇的に上がります。

クラフトジンはストレートでも美味しい?

はい、特に和ジン(季の美・KI NO TEA・桜尾)や長期熟成系はストレートが真価を発揮します。小ぶりのテイスティンググラスに15ml程度を常温で注ぎ、舌の上で転がすとボタニカルの順番(柑橘→スパイス→松葉)が体感できます。

クラフトジンの保存方法は?

常温・冷暗所で立てて保管が基本です。直射日光と高温(30度以上)を避ければ開封後でも1年程度は品質を維持できます。冷蔵庫保管は不要ですが、ストレートで飲む際は冷凍庫で30分冷やすとボタニカルの繊細さが際立ちます。

クラフトジンの価格帯はどのくらいですか?

標準的なボトル(700ml前後)で3,500〜10,000円が中心価格帯。和ジンの季の美は5,500円、世界的傑作のモンキー47は1万円前後、限定品やヴィンテージは2万円超えも。ROKUのように2,500円台で買える優秀ラインも増えています。

店舗情報|TOMIJAZ(麻布十番のジャズバー)
所在地〒106-0045 東京都港区麻布十番2-8-3 ディケンズ麻布 3F
営業時間月曜〜土曜 19:00〜翌2:00(L.O. 1:30)
定休日日曜・祝祭日
アクセス東京メトロ南北線「麻布十番駅」4番出口/都営大江戸線「麻布十番駅」7番出口より徒歩3分
ご予約食べログ予約ページ
この記事を書いた人

TOMIJAZ Bartenders(トミジャズ・バーテンダーズ)

麻布十番のジャズバーTOMIJAZの現役バーテンダーチーム。創業者・トミがニューヨーク20年・東京12年にわたり築いたジャズバーの歴史を、常連客から運営者となった株式会社Envalueが2022年より受け継いでいます。お酒・ジャズ・空間づくりに関する一次情報を、現場のカウンターから発信しています。

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