「ジンってどんなお酒?」「ジントニックとマティーニ、結局何が違うの?」「クラフトジンが流行ってるけど、選び方がわからない」──ジンは身近なお酒のようでいて、奥深さを知る入口でつまずく方も多いカテゴリです。実は、ジン最大の定義は『ジュニパーベリーで香りづけされた蒸留酒』。本記事では、ジンの正確な原料、スタイル別の種類、定番銘柄、楽しみ方まで、麻布十番のジャズバーTOMIJAZが完全ガイドします。
ジンの定義は「ジュニパーベリー(セイヨウネズ)の香りを主体とする蒸留酒」。ロンドン・ドライ/プリマス/オールド・トム/ジェネバ/ニュー・ウェスタンの5大スタイル、ボンベイ・タンカレー・ヘンドリックス・モンキー47など定番銘柄、ジントニックからネグローニまでの楽しみ方を一気通貫で解説します。
ジンは16世紀のオランダで「ジェネヴァ(薬用酒)」として誕生し、17世紀にイギリスで爆発的に普及した世界最古級のスピリッツの一つです。近年は「クラフトジン革命」と呼ばれるブームのなかで、地域固有のボタニカルを使った個性派が世界中で生まれており、味の幅は劇的に広がっています。
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1. ジンとは|ジュニパーベリーから生まれる蒸留酒
1-1. ジン最大の特徴:ジュニパーベリー(セイヨウネズ)
ジンを「ジンたらしめている」唯一無二の素材がジュニパーベリー(学名: Juniperus communis、日本名: セイヨウネズ)です。針葉樹の松ぼっくりのような小さな果実で、深いハーバル感とほのかな松脂のような香りを持ちます。EU法をはじめ世界各国の定義で「ジュニパーベリーを主たる香り成分として用いた蒸留酒」とされており、これが無ければジンとは呼べません。
1-2. ボタニカル:ジンの個性を決める植物素材
ジュニパー以外に加えられる植物素材を総称してボタニカルと呼びます。代表的なものは、コリアンダーシード、アンジェリカルート、レモンピール、オレンジピール、カルダモン、シナモン、リコリスなど。これらを何種類、どんな比率で組み合わせるかで銘柄ごとの個性が生まれます。クラフトジンの世界では、日本の山椒、桜、緑茶、ヒノキなど土地ごとのボタニカルを使った銘柄も多数登場しています。
1-3. ベーススピリッツ:中性アルコールが土台
ジンの土台となるのは、大麦・小麦・ライ麦・トウモロコシなどの穀物から作られた中性スピリッツ(連続式蒸留器で高純度に精製したアルコール)です。この無味無臭に近いベースにボタニカルの香りを移していくことで、透明でクリアなジンが完成します。中性スピリッツの原料の違いが、わずかな口当たりの差として最終製品に残る点も玄人好みのポイントです。
2. ジンの種類【スタイル別】5分類
2-1. ロンドン・ドライ・ジン(最もポピュラー)
世界で最も流通しているスタイルがロンドン・ドライ・ジンです。蒸留後の人工的な甘味添加が認められず、ボタニカルの香りはすべて蒸留中に抽出されたもののみという厳格な定義を持ちます。辛口でキレが良く、カクテルベースとして最も使いやすいスタイル。ロンドン地名がついていますが、現在は世界各地で生産されています。
2-2. プリマス・ジン(地理的表示保護)
イングランド南西部プリマス市でのみ生産できる地理的表示保護(GI)の対象スタイル。ロンドン・ドライよりわずかに甘くオイリーで、土の香りやアーシーなニュアンスを持ちます。19世紀の英国海軍御用達として歴史的に有名で、ドライ・マティーニの「本来あるべきジン」として愛飲家から支持されています。
2-3. オールド・トム・ジン(甘口の伝統スタイル)
18世紀から19世紀の英国で主流だった甘口のジン。砂糖や甘味料を加えてやや丸みを持たせたスタイルで、20世紀初頭の古典カクテル(マティネ、トム・コリンズ等)の元レシピで指定されているのはほぼこのオールド・トムです。一度は廃れかけましたが、クラフトジンブームと共に各社が復刻し再注目されています。
2-4. ジェネバ/オランダ・ジン(ジンの原点)
ジンのルーツであるオランダの伝統スタイル。麦芽由来のリッチな穀物香があり、ウイスキーとジンの中間のような複雑な味わいを持ちます。ストレートやロックで楽しむのが伝統的で、ジントニックやマティーニには向きません。「Jenever(イェネーフェル)」「Genever(ジェネヴァ)」と呼ばれます。
2-5. ニュー・ウェスタン/クラフトジン
2000年代以降に世界中で生まれた新世代のスタイルの総称。ジュニパー以外のボタニカルを大胆に主役級まで引き上げた個性派が多く、柑橘系・フローラル系・スパイス系・アジアン系など多彩な方向性があります。日本のクラフトジンもこのカテゴリに含まれ、山椒・柚子・桜・緑茶・ヒノキなど和素材を活かした銘柄が世界的にも評価を集めています。
3. 代表的なジン銘柄
3-1. ボンベイ・サファイア(Bombay Sapphire)
青いボトルで知られる世界的定番。10種類のボタニカルを蒸気にくぐらせる独自の蒸気注入製法で、繊細でフローラルな香りを実現しています。アルコール度数47%。ジントニックでもストレートでも美しさが映え、世界中のバーで指定される鉄板銘柄です。
3-2. タンカレー(Tanqueray)
1830年創業のロンドン・ドライ・ジンの王道。ジュニパーの力強さとシトラスのキレがあり、辛口ドライの代名詞。緑のボトルがアイコニックで、マティーニには「Tanqueray No.10」も並び立つ存在感を放ちます。アルコール度数47.3%。
3-3. ビーフィーター(Beefeater)
「ロンドン市内で蒸留される唯一の主要ジン」を自称する1820年創業の老舗。ボタニカルを24時間スピリッツに浸漬してから蒸留するクラシックな製法で、ジュニパーとシトラスのバランスが鮮やか。アルコール度数40%。コストパフォーマンスにも優れます。
3-4. ヘンドリックス(Hendrick’s)
スコットランド発のニュー・ウェスタン・ジン。キュウリとブルガリアン・ローズを加えた個性的な香りで、ジントニックには「ライムではなくキュウリのスライスを」と公式に推奨される独自路線。アルコール度数44%。一度飲むと忘れられない印象を残します。
3-5. モンキー47(Monkey 47)
ドイツ・黒い森(シュバルツヴァルト)で生まれたクラフトジンの世界的アイコン。47種類のボタニカルとアルコール度数47%を象徴とし、クランベリー、ライム、ジンジャー、リコリス、コリアンダーが複雑に重なる多層的な香り。275mlの小瓶に収まる「特別なジン」の代表格です。
4. ジンの楽しみ方
4-1. ジントニック(最強の入門カクテル)
ジン1:トニックウォーター3〜4の比率で割り、ライムを絞るのが定番。大きめの氷とよく冷えたトニックを使い、ステアは最小限がコツです。ボタニカルの香りを楽しみたいクラフトジンには、フィーバーツリー等の上質なトニックを合わせると別次元の味わいになります。
4-2. マティーニ
「カクテルの王様」と呼ばれる伝統の一杯。ジン:ドライベルモット=6:1の黄金比でステアし、レモンピールやオリーブを添えます。詳しい作り方とジン選びはマティーニの作り方完全ガイドで解説しています。
4-3. ギムレット
ジン3:ライムジュース1のシンプルなショートカクテル。雷鳴のような切れ味から「ギムレットには早すぎる」というレイモンド・チャンドラーの名フレーズで日本でも知られる、ハードボイルドの象徴。コーディアル・ライム・ジュース(甘味付き)を使うのが本来の作り方です。
4-4. ネグローニ
ジン:カンパリ:スイート・ベルモットを1:1:1で合わせる大人の食前酒。苦味と甘味とジュニパーが渾然一体となる味わいです。詳しい作り方はネグローニの作り方完全ガイドを参照ください。
4-5. ストレート/ロック(クラフトジン推奨)
個性派のクラフトジンは、あえて何も加えずに楽しむのも醍醐味。常温ストレートでボタニカルの細部まで感じ、大きな氷でロックにすると時間の経過で味の変化を楽しめます。モンキー47やヘンドリックスなどは特にこの飲み方に向いています。
5. ジン選びのポイント
5-1. ボタニカルの個性で選ぶ
シトラス系(タンカレー、ボンベイ)、フローラル系(ヘンドリックス)、スパイス系(モンキー47)、和素材系(季の美、六)など、好みのボタニカル傾向を軸に選ぶと失敗しません。最初の1本は王道のロンドン・ドライ・ジンから入り、徐々に個性派を試すのがおすすめです。
5-2. アルコール度数で選ぶ
EU法上のジンの最低アルコール度数は37.5%。多くの定番銘柄は40%前後ですが、香りを際立たせる目的で47%前後の高度数銘柄も多くあります。ジントニックなど割って飲む場合は40%以上を、ストレートで楽しむ場合は40%前後でも十分です。
5-3. ベーススピリッツの違い
大麦ベースは滑らかでまろやか、小麦ベースは軽快で柔らかく、ライ麦ベースはスパイシー、トウモロコシベースは甘さを感じやすい等、ベース穀物の違いも口当たりに影響します。ウイスキーの種類完全ガイドでも触れたとおり、原料穀物の差は最終製品の質感に確実に出ます。
麻布十番のジャズバー TOMIJAZ では、ロンドン・ドライの王道銘柄から日本のクラフトジンまで、定番から個性派まで幅広いジンをご用意しています。ジントニック、マティーニ、ネグローニはもちろん、お客様の好みのボタニカル傾向に合わせた一杯をバーテンダーがご提案します。ジャズの流れる落ち着いた空間で、ジンの奥深い世界をぜひお楽しみください。
| 所在地 | 〒106-0045 東京都港区麻布十番2-8-3 ディケンズ麻布 3F |
|---|---|
| 営業時間 | 月曜〜土曜 19:00〜翌2:00(L.O. 1:30) |
| 定休日 | 日曜・祝祭日 |
| アクセス | 東京メトロ南北線「麻布十番駅」4番出口/都営大江戸線「麻布十番駅」7番出口より徒歩3分 |
| 電話予約 | 03-3454-5566 ※営業時間内のみ |
| ウェブ予約 | 食べログ予約ページ |
まとめ
ジンは「ジュニパーベリーを主軸に多彩なボタニカルで個性が決まる」蒸留酒です。ロンドン・ドライ、プリマス、オールド・トム、ジェネバ、ニュー・ウェスタンの5スタイルを軸に、自分の好みの香りを見つけることがジン選びの第一歩。ジントニック・マティーニ・ネグローニといった古典カクテルの主役として、またストレートでクラフトジンを楽しむ奥深い一杯として、初心者から愛好家まで長く楽しめるカテゴリです。麻布十番のジャズバーTOMIJAZでは、お好みに合わせた一杯を必ずご提案できますので、お気軽にカウンターまでお越しください。




よくある質問(FAQ)
- ジンとウォッカの違いは何ですか?
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どちらも穀物などから作る中性スピリッツがベースですが、ジンはジュニパーベリーを中心としたボタニカルで香り付けするのに対し、ウォッカは香り付けをせずクリアな味わいを目指します。ジンは「香りで個性を出すスピリッツ」、ウォッカは「無味無臭を極めるスピリッツ」と覚えると違いが明確になります。
- クラフトジンの初心者におすすめは?
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個性が強すぎず、しかしクラフトジンらしい複雑さも感じられるヘンドリックス(キュウリ&ローズ)や日本の季の美がおすすめです。まずジントニックで試し、気に入ったらストレートやロックでボタニカルの細部を確かめると好みの方向性が見えてきます。
- ジンは何度くらいで保存すれば良いですか?
-
未開封・開封後ともに直射日光を避け、常温保存で問題ありません。ただしストレートで飲む場合は冷凍庫で冷やしておくと、ボタニカルの輪郭がきりっと立ち上がり一段美味しくなります。冷凍庫に入れても凍らないのはアルコール度数の高さによるものです。
- ジントニックを家で美味しく作るコツは?
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3点だけ押さえれば自宅でもバー品質に近づきます。①大きく透明な氷を使う(家庭用製氷機の氷は溶けやすく薄まりやすい)、②トニックウォーターは開けたてを使う(炭酸が抜けると印象が変わる)、③ジン1:トニック3〜4の比率を守る。これだけで体感が大きく変わります。
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| 所在地 | 〒106-0045 東京都港区麻布十番2-8-3 ディケンズ麻布 3F |
|---|---|
| 営業時間 | 月曜〜土曜 19:00〜翌2:00(L.O. 1:30) |
| 定休日 | 日曜・祝祭日 |
| アクセス | 東京メトロ南北線「麻布十番駅」4番出口/都営大江戸線「麻布十番駅」7番出口より徒歩3分 |
| 電話予約 | 03-3454-5566 ※営業時間内のみ |
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TOMIJAZ Bartenders(トミジャズ・バーテンダーズ)
麻布十番のジャズバーTOMIJAZの現役バーテンダーチーム。創業者・トミがニューヨーク20年・東京14年にわたり築いたジャズバーの歴史を、常連客からオーナーとなった株式会社Envalue代表の水野泰和が2022年11月より受け継いでいます。お酒・ジャズ・空間づくりに関する一次情報を、現場のカウンターから発信しています。

