「クリスマスに流したいけれど、どのジャズを選べば良いか分からない」「定番の一枚を知りたい」「静かな夜と賑やかな集い、それぞれに合う盤は?」──クリスマスとジャズは相性抜群でありながら、いざ選ぶとなると迷いやすいものです。結論から言えば、まずは親しみやすい定番から入り、シーンに合わせて「ボーカルか演奏か」「静かか賑やかか」で選ぶのが失敗しないコツです。本記事では、クリスマスに合うジャズ名盤を入門しやすい順に10枚、選び方と合わせる一杯まで、麻布十番のジャズバーTOMIJAZが解説します。
この記事で紹介するのは、入門しやすい順に並べたクリスマス・ジャズの定番10枚です。1〜4枚目は誰もが知る王道、5〜9枚目は一歩踏み込んだ個性派、10枚目のダイアナ・クラール『クリスマス・ソングス』は現代の定番。迷ったら1枚目のヴィンス・ガラルディ『チャーリー・ブラウン・クリスマス』から番号順に聴き進めれば、無理なく世界が広がります。選ぶ軸は「ボーカル中心か演奏中心か」「定番スタンダードか個性的な解釈か」「静かに聴くか賑やかに楽しむか」の3つ。ピアノトリオ、ボーカル、ビッグバンド、ギターまで編成もさまざまに揃えました。
クリスマスとジャズが本格的に結びついたのは20世紀半ばとされます。1957年のフランク・シナトラ、1960年前後のエラ・フィッツジェラルドやナット・キング・コールらが、クリスマス・キャロルや季節の歌をスウィングやバラードとして歌い、季節の定番として広めました。とりわけ1965年のヴィンス・ガラルディ『チャーリー・ブラウン・クリスマス』は、テレビアニメの音楽としてクリスマス・ジャズを世代を超えた文化に定着させたと言われています。
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1. クリスマスに合うジャズの選び方【3つの軸】
クリスマス・ジャズと一口に言っても、しっとりした夜に寄り添う一枚から、パーティーを盛り上げる一枚まで幅広く存在します。名盤選びで迷ったときは、次の3つの軸で考えると自分のシーンに合う盤が見つかります。まずは全体像として、ジャズ初心者向けの名盤入門もあわせて押さえておくと選びやすくなります。
1-1. ボーカル中心か、演奏中心か
歌詞のあるボーカル盤は、クリスマス・キャロルの物語が伝わりやすく、集いの場でも親しみやすいのが魅力です。一方、ピアノトリオやビッグバンドなどの演奏中心の盤は、会話や食事の邪魔をせず空間に溶け込みます。人が集まる場ならボーカル、静かに過ごす夜なら演奏中心、と使い分けると失敗しません。
1-2. 定番スタンダードか、個性的な解釈か
「ホワイト・クリスマス」「きよしこの夜」など誰もが知る定番を素直に楽しみたいなら、ボーカルの名盤が安心です。反対に、聴き慣れた曲を新鮮に味わいたいなら、デューク・エリントンによるチャイコフスキーの翻案のような個性的な解釈盤が刺激的。まずは定番、慣れてきたら解釈盤へと進むのがおすすめです。
1-3. 静かに聴くか、賑やかに楽しむか
二人で静かに過ごす夜には、バラード主体の落ち着いた盤が似合います。友人や家族が集まる賑やかな集いには、スウィングするアップテンポの盤が場を明るくします。同じアーティストでも盤ごとに温度感が異なるため、その日の過ごし方から逆算して選ぶと一枚がぴたりと決まります。
2. クリスマスに合うジャズ名盤10選【入門しやすい順】
ここからは具体的な名盤を10枚紹介します。並び順は親しみやすく入門しやすい順で、1〜4枚目が誰もが知る王道、5〜9枚目が一歩踏み込んだ個性派、10枚目が現代の定番という流れです。迷ったら番号順に聴き進めれば、無理なくクリスマス・ジャズの世界が広がります。なお番号は入門しやすさの順であって、時間帯に沿った並びではありません。夕方から夜更けへ流す順番は4章で別に紹介します。海外作品には原題を併記し、通販で探しやすい日本盤の呼び名も添えました。
2-1. ヴィンス・ガラルディ・トリオ『チャーリー・ブラウン・クリスマス』(A Charlie Brown Christmas/1965年)
クリスマス・ジャズの代名詞とも言える一枚で、テレビアニメ「チャーリー・ブラウンのクリスマス」のサウンドトラックです。ピアノトリオを軸にした親しみやすい音づくりで、静かに雪を思わせる「クリスマス・タイム・イズ・ヒア」、軽快な「リナス・アンド・ルーシー」(ガラルディのオリジナル曲)など、初めてでもすっと耳になじみます。まず一枚と言われれば、これを選んで間違いありません。なお日本盤は『スヌーピーのクリスマス』の名で流通しているので、通販で探すときはこの表記も覚えておくと見つけやすくなります。
2-2. ナット・キング・コール『ザ・クリスマス・ソング』(The Christmas Song/1963年)
ビロードのようなバリトンで歌われる表題曲「ザ・クリスマス・ソング」は、メル・トーメとボブ・ウェルズが書いた名曲で、コールの歌唱が決定版として親しまれています。オーケストラを従えた温かなアレンジで、暖炉のそばで栗を焼く情景がそのまま浮かぶよう。ボーカルの入門として最適な、王道の一枚です。
2-3. エラ・フィッツジェラルド『スウィンギング・クリスマス』(Ella Wishes You a Swinging Christmas/1960年)
「ファースト・レディ・オブ・ソング」の異名を持つエラが、フランク・デヴォルの編曲でクリスマス・キャロルを軽やかにスウィングさせた一枚。「ジングル・ベル」「フロスティ・ザ・スノーマン」などが弾むように歌われ、人が集まる賑やかな場面を明るく彩ります。ジャズボーカルの名盤をもっと知りたい方の入り口にもなる一枚です。
2-4. フランク・シナトラ『ア・ジョリー・クリスマス』(A Jolly Christmas from Frank Sinatra/1957年)
ゴードン・ジェンキンスの編曲・指揮による、大人の落ち着きに満ちたクリスマス・アルバムです。「ザ・クリスマス・ワルツ」「ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」「ホワイト・クリスマス」など、しっとりとした名唱が並びます。グラスを傾けながらの静かな夜に、これ以上ない伴侶になります。合わせる一杯に迷ったら、シナトラが愛したジャックダニエルにならうのも一興です。
2-5. オスカー・ピーターソン『アン・オスカー・ピーターソン・クリスマス』(An Oscar Peterson Christmas/1995年)
超絶技巧で知られるピアニスト、オスカー・ピーターソンによる華やかなクリスマス盤。豊かなハーモニーと軽やかなスウィング感で、定番曲が上質なラウンジ・ミュージックへと磨き上げられています。演奏中心で場に溶け込みつつ、耳を澄ませば聴きどころも多い一枚です。
2-6. ラムゼイ・ルイス・トリオ『サウンド・オブ・クリスマス』(Sound of Christmas/1961年)
ゴスペルやブルースの温もりをたたえたピアノトリオによるクリスマス盤。ブルースの色が濃い「メリー・クリスマス・ベイビー」をはじめ、耳なじみのあるキャロルが躍動感たっぷりに解釈され、しっとりだけではない、少し洒脱で陽気なクリスマスを演出します。
2-7. デューク・エリントン『組曲くるみ割り人形』(The Nutcracker Suite/1960年)
チャイコフスキーのバレエ組曲「くるみ割り人形」を、デューク・エリントンとビリー・ストレイホーンがビッグバンド向けに大胆に翻案した意欲作です。あくまで原曲を再構成した編曲作品で、エリントンのオリジナル曲集ではありませんが、誰もが知る旋律がジャズのうねりへと生まれ変わる面白さは格別。原曲を知る人ほど楽しめます。
2-8. ウィントン・マルサリス『クレセント・シティ・クリスマス・カード』(Crescent City Christmas Card/1989年)
現代ジャズを牽引するトランペット奏者ウィントン・マルサリスによる、故郷ニューオーリンズの香り漂う一枚。伝統的なジャズの語法と洗練されたアレンジが同居し、格調高くも温かなクリスマスを描きます。上質な演奏をじっくり味わいたい夜にふさわしい盤です。
2-9. ケニー・バレル『ハヴ・ユアセルフ・ア・ソウルフル・リトル・クリスマス』(Have Yourself a Soulful Little Christmas/1966年)
ジャズギターの名手ケニー・バレルによる、その名のとおりソウルフルで落ち着いたクリスマス盤。ギターの温かくまろやかな音色が、夜更けの静けさにそっと寄り添います。派手さよりも余韻を大切にしたい大人の夜に、深く沁みる一枚です。
2-10. ダイアナ・クラール『クリスマス・ソングス』(Christmas Songs/2005年)
ハスキーで艶のある歌声で人気のダイアナ・クラールが、クレイトン=ハミルトン・ジャズ・オーケストラと共演した豪奢な一枚。ビッグバンドの厚みとしっとりした歌唱が溶け合い、10枚を締めくくるにふさわしい大人の贅沢な余韻を残します。静かな夜にも、少し特別な集いにも映える現代の定番です。
3. クリスマス・ジャズに合わせる一杯の選び方
音楽が決まったら、次はグラスの中身です。クリスマス・ジャズの温度感に一杯の味わいを重ねると、夜の満足度がぐっと高まります。ジャンル別・名盤別の考え方はジャズと合うお酒の選び方に詳しくまとめていますが、ここではクリスマスに絞って要点を紹介します。
3-1. 乾杯と賑やかな集いにはスパークリング
エラ・フィッツジェラルドやオスカー・ピーターソンのような賑やかで華やかな盤には、泡立つスパークリングワインやシャンパンがよく似合います。キリッとした酸と細やかな泡が、スウィングの軽快さと響き合い、集いの高揚をいっそう引き立てます。銘柄選びは記念日・デートに映えるシャンパン10選が参考になります。
3-2. 静かな夜にはウイスキーやブランデー
フランク・シナトラやケニー・バレルのような落ち着いた盤には、ゆっくり香りの開くウイスキーや食後のブランデーが好相性です。琥珀色の一杯を少しずつ傾けながら聴けば、時間の流れそのものが穏やかになります。銘柄で迷うならジャズの夜に合うウイスキー10選から選ぶと外しません。
3-3. 甘い余韻には食後の一杯を
デザートやチョコレートを添えるなら、甘やかな余韻を持つ食後酒やカクテルが橋渡し役になります。ダイアナ・クラールの豊かな歌声を聴きながら、香り高い一杯で締めくくれば、クリスマスの夜が上質に完成します。
4. 自宅でクリスマス・ジャズを心地よく楽しむコツ
同じ名盤でも、聴く順番や音量、空間づくり次第で印象は大きく変わります。自宅で心地よく楽しむための、ちょっとした工夫を紹介します。
夕方から夜更けへと時間が進むにつれて、賑やかな盤から静かな盤へと移していくと、自然な流れで夜が深まります。本記事の番号は入門しやすさの順なので、時間帯で流すときは次の4-1のとおりに並べ替えてください。
4-1. 時間帯に合わせて並べ替える
人が集まる夕方から宵の口は、3枚目のエラ・フィッツジェラルド、5枚目のオスカー・ピーターソン、6枚目のラムゼイ・ルイスなど賑やかな盤で場を温めます。食事が進む頃は1枚目のヴィンス・ガラルディ、2枚目のナット・キング・コール、7枚目のデューク・エリントン、8枚目のウィントン・マルサリスでほどよい温度を保ち、夜が更けたら4枚目のフランク・シナトラ、9枚目のケニー・バレル、10枚目のダイアナ・クラールへと移して静けさに着地させます。番号順に一通り聴いたあとは、この並べ替えで夜の流れを整えてみてください。
4-2. 音量は会話がしやすい程度に
クリスマス・ジャズは主役ではなく、夜を包む空気です。会話や食事を邪魔しない、少し控えめな音量が心地よく響きます。とくにボーカル盤は歌詞が耳につきすぎない程度に抑えると、上品な余韻が生まれます。
4-3. 灯りとグラスで雰囲気を整える
照明を一段落として間接光にし、手になじむグラスを選ぶだけで、家の一室がぐっと大人の空間に変わります。音楽・灯り・一杯の三つがそろえば、外に出かけなくても満ち足りたクリスマスの夜が過ごせます。
麻布十番のジャズバー TOMIJAZ では、クリスマスの夜に映える一杯をご用意しています。乾杯にはヴーヴ・クリコやモエ・エ・シャンドン・ロゼ、ペリエ・ジュエといったシャンパンを、締めの一杯には山崎・白州・響のジャパニーズウイスキーやヘネシーのコニャックを。甘い余韻で終えたい夜には、ブランデーベースのアレキサンダーとチョコレートもお選びいただけます。お客様のお好みとシーンに合わせて、バーテンダーが最適な一杯をご提案します。店内にはジャズの調べが流れ(ライブ演奏は不定期開催です)、大人の静かなクリスマスにふさわしい時間をお過ごしいただけます。
| 所在地 | 〒106-0045 東京都港区麻布十番2-8-3 ディケンズ麻布 3F |
|---|---|
| 営業時間 | 月〜水 19:00〜24:00(L.O. 23:30)/木・金 19:00〜翌2:00(L.O. 翌1:30)/土 19:00〜23:30(L.O. 23:00) |
| 定休日 | 日曜・祝祭日 ※土曜は不定休 |
| アクセス | 東京メトロ南北線「麻布十番駅」4番出口/都営大江戸線「麻布十番駅」7番出口より徒歩3分 |
| 電話予約 | 03-3454-5566 ※営業時間内のみ |
| ウェブ予約 | 食べログ予約ページ |
まとめ
クリスマスに合うジャズは、まず親しみやすい定番から入り、「ボーカルか演奏か」「静かか賑やかか」でシーンに合わせて選ぶのが失敗しないコツです。入門しやすい順に並べた本記事の10枚は、1枚目のヴィンス・ガラルディ『チャーリー・ブラウン・クリスマス』から10枚目のダイアナ・クラール『クリスマス・ソングス』へと、王道から個性派、そして現代の定番へ進む構成です。まずは番号順に聴き、時間帯に合わせたいときは4-1の並べ替えで。灯りを落として一杯を添えれば、自宅でも満ち足りた大人のクリスマスが過ごせます。麻布十番のTOMIJAZでも、ジャズの調べとともに特別な夜をご用意してお待ちしています。
よくある質問(FAQ)
- クリスマス・ジャズの入門に最適な一枚はどれですか?
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ヴィンス・ガラルディ・トリオ『チャーリー・ブラウン・クリスマス』(1965年)が最適です。ピアノトリオを軸にした親しみやすい音づくりで、テレビアニメの音楽として広く知られており、初めてでもすっと耳になじみます。本記事でも1枚目に置いています。
- 静かな夜と賑やかな集い、それぞれのおすすめは?
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静かな夜にはフランク・シナトラ『ア・ジョリー・クリスマス』やケニー・バレルのようなバラード主体の盤を、賑やかな集いにはエラ・フィッツジェラルド『スウィンギング・クリスマス』やオスカー・ピーターソンのようなスウィングする盤をおすすめします。
- 聴く順番は決めた方が良いですか?
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迷ったら本記事の番号順で構いません。番号は入門しやすい順に並べているので、1枚目から順に聴き進めれば無理なく世界が広がります。ただし夕方から夜更けへ時間帯に沿って流したい場合は番号順とは別の並びになるため、記事の4-1で紹介している並べ替えを参考にしてください。
- クリスマス・ジャズに合うお酒は何ですか?
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賑やかな盤にはシャンパンやスパークリングワイン、静かな盤にはウイスキーやブランデーがよく合います。デザートやチョコレートを添えるなら、甘い余韻を持つ食後の一杯が橋渡しになります。
- ボーカル盤と演奏盤はどう使い分ければ良いですか?
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人が集まる場では歌詞の物語が伝わりやすいボーカル盤が親しみやすく、静かに過ごす夜や会話を邪魔したくない場面では、ピアノトリオやビッグバンドなど演奏中心の盤が空間に溶け込みます。
- 定番曲を新鮮に楽しめる盤はありますか?
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デューク・エリントン『組曲くるみ割り人形』がおすすめです。チャイコフスキーの有名な旋律をエリントンとビリー・ストレイホーンがビッグバンド向けに翻案した編曲作品で、聴き慣れた曲が新鮮に響きます。
- 麻布十番でクリスマスにジャズを楽しめるお店はありますか?
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麻布十番のジャズバーTOMIJAZでは、ジャズの調べが流れる店内で、シャンパンやジャパニーズウイスキーなどクリスマスの夜に映える一杯をご用意しています。ライブ演奏は不定期開催です。詳しくは記事内のご案内をご覧ください。
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TOMIJAZ Bartenders(トミジャズ・バーテンダーズ)
麻布十番のジャズバーTOMIJAZの現役バーテンダーチーム。創業者・トミがニューヨーク20年・東京14年にわたり築いたジャズバーの歴史を、常連客からオーナーとなった株式会社Envalue代表の水野泰和が2022年11月より受け継いでいます。お酒・ジャズ・空間づくりに関する一次情報を、現場のカウンターから発信しています。






