「カシスオレンジをお店で頼むと甘くておいしいのに、家で作ると味が決まらない」――そんな声をよく耳にします。実は、カシスオレンジはカシスリキュールとオレンジジュースを1対4で注ぐだけの、家庭でも失敗しにくい定番カクテルです。本記事では、黄金比の理由、ビルドの手順、バーの味に近づける3つのコツ、そしておすすめのカシスリキュールまで、麻布十番のジャズバーTOMIJAZが順を追って解説します。
カシスオレンジはカシスリキュール30mlとオレンジジュース120mlの「1対4」が基準。アルコール度数は3〜5%前後で、甘く口当たりのやわらかい食前・食後のどちらにも合う一杯です。良質なカシスリキュール、よく冷やした果汁100%のオレンジジュース、グラスと氷の冷却という3つのコツを押さえれば、自宅でもバーの味に近づきます。
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1. カシスオレンジとは|カシスリキュール×オレンジジュースの定番カクテル
カシスオレンジは、黒スグリのリキュール「クレーム・ド・カシス」をオレンジジュースで割ったロングカクテルです。鮮やかなルビー色と甘酸っぱい果実味、そして低めのアルコール度数から、カクテル入門の一杯として長く愛されてきました。まずは基本の味わいと成り立ちを整理します。
1-1. 味わいとアルコール度数の目安
カシスの濃厚な甘みとオレンジのフレッシュな酸味が重なり、口当たりはジュースのようになめらかです。ただしベースはアルコール度数15〜20%のリキュールのため、完成した一杯の度数はおおよそ3〜5%。ビールと同程度で、飲みやすい反面、甘さで進みやすい点には注意しましょう。ほかのカクテルとの強さの比較はカクテルの度数一覧をご覧ください。
- 色:透明感のある赤紫〜ルビー色
- 味:カシスの甘み+オレンジの酸味、後味はやや甘口
- 度数の目安:3〜5%前後(作る比率で変動)
- 向くシーン:乾杯の一杯、食前酒、甘いものが欲しい食後
1-2. 名前の由来|カシスは「黒スグリ」
「カシス」はフランス語で黒スグリ(ブラックカラント)を意味します。ポリフェノールを豊富に含む小さな黒い果実で、生食よりリキュールやジャムに加工されるのが一般的です。カシスオレンジという名称は、この果実のリキュールとオレンジジュースを組み合わせたシンプルな構成をそのまま表しています。
カシスリキュールの本場は、フランス・ブルゴーニュ地方のディジョンです。1841年創業のルジェ・ラグート社が「クレーム・ド・カシス」を世に広め、白ワインと合わせる「キール」とともに、カシス系カクテルは世界中へ親しまれていきました。
1-3. スクリュードライバーやカシスソーダとの違い
同じオレンジジュース割りでも、ウォッカを使う「スクリュードライバー」はベースが蒸留酒のため度数が高く、辛口に仕上がります。一方カシスオレンジはリキュールベースで甘く低度数です。また炭酸で割れば「カシスソーダ」、烏龍茶で割れば「カシスウーロン」となり、割り材を替えるだけで幅広く展開できるのがカシス系の魅力です。
2. カシスオレンジの黄金比|「1対4」が基準
カシスオレンジをおいしく作る最大のポイントは比率です。カシスリキュールとオレンジジュースの割合を1対4にすると、甘さと酸味のバランスが最も安定します。ここでは基準レシピと、好みに応じた微調整の方法を紹介します。
2-1. 基本レシピ(カシス30ml:オレンジ120ml)
- クレーム・ド・カシス……30ml
- オレンジジュース(果汁100%)……120ml
- 氷……適量(グラスに8分目)
この配合が、多くのバーで採用される標準比率です。まずはこの1対4で一杯作り、そこから自分の好みに寄せていくのが失敗しないコツです。
2-2. 甘さを調整したいとき
甘さが強いと感じる場合は、オレンジジュースを増やして1対5にすると軽やかになります。逆にカシスの香りをしっかり出したいなら1対3まで濃くしても構いません。仕上げにレモンを軽く搾ると、全体が引き締まって甘さがくどくなりにくくなります。
2-3. 度数を抑えたいとき・強めたいとき
アルコールを控えたいときはカシスを20mlに減らし、オレンジジュースで満たせば度数2〜3%程度の軽い一杯になります。反対にしっかり飲みたい場合は、ウォッカを10〜15ml加える「カシスオレンジ・ウォッカ強化版」にすると、味わいはそのままに飲みごたえが増します。
3. カシスオレンジの作り方|ビルドの手順
カシスオレンジはシェイカーを使わず、グラスの中で直接混ぜる「ビルド」で仕上げます。特別な技術は不要ですが、道具と手順を丁寧に踏むだけで完成度は大きく変わります。
3-1. 用意する道具と材料
計量に使うメジャーカップ(ジガー)と、混ぜるためのバースプーン、そして背の高いタンブラーグラスがあると、比率と口当たりが安定します。氷は溶けにくい大きめのものを選びましょう。
- タンブラーグラス(300ml前後)
- メジャーカップ(ジガー)
- バースプーン
- クレーム・ド・カシス/オレンジジュース(果汁100%)/氷
3-2. 手順ステップ
- タンブラーグラスに氷をたっぷり入れ、いったんグラスを冷やす
- メジャーカップでカシスリキュール30mlを量り、氷の上から注ぐ
- オレンジジュース120mlを静かに注ぐ
- バースプーンで下から上へ2〜3回、大きくひと混ぜする
- 好みでオレンジスライスやレモンを添えて完成
3-3. 混ぜすぎない・注ぐ順番のコツ
ビルドの基本は「混ぜすぎない」ことです。カシスは比重が重く下に沈みやすいため、氷を持ち上げるように下から数回混ぜれば十分。混ぜすぎると炭酸のないカクテルは氷が溶けて水っぽくなります。リキュールを先、ジュースを後に注ぐと、量りやすく味も安定します。
グラスと氷をあらかじめ冷やしておくと、注いだ瞬間の温度上昇を防げます。冷えたグラスは香りの立ち方と後味のキレを大きく左右する、家庭でも今すぐできる差の出るポイントです。
4. バーの味に近づける3つのコツ
家庭のカシスオレンジがお店の味に届かない理由は、たいてい3つに集約されます。逆にこの3点を押さえれば、同じ材料でも仕上がりは見違えます。順に見ていきましょう。
4-1. 良質なカシスリキュールを選ぶ
味の土台はカシスリキュールそのものです。安価なものは香料的な甘さが立ちやすい一方、ルジェのクレーム・ド・カシスのような果実含有量の高い銘柄は、黒スグリ本来の芳醇な香りとコクが段違いです。まず一本を良質なものに替えるだけで、バーの味に最も近づきます。
銘柄選びの詳しい基準は後述しますが、迷ったら世界的定番のルジェを選んでおけば間違いありません。
4-2. オレンジジュースは果汁100%・よく冷やす
割り材のオレンジジュースは仕上がりの半分以上を占めます。濃縮還元でも構いませんが、果汁100%を選び、冷蔵庫でしっかり冷やしておくことが重要です。果肉入り(パルプ)タイプにすると、フレッシュな風味とコクが増してお店らしい厚みが出ます。生のオレンジを搾れば言うことはありません。
4-3. 氷とグラスを冷やし、丁寧にビルドする
三つ目は温度と所作です。ぬるいグラスに氷を入れるとすぐ溶けて薄まります。グラス・氷・ジュースをすべて冷やし、混ぜは最小限に。大きめの氷を使えば溶けにくく、最後の一口まで味が保たれます。バースプーンで静かに一混ぜする丁寧さが、雑味のない澄んだ味を生みます。
5. カシスリキュールのおすすめと選び方
カシスオレンジの完成度はリキュール選びでほぼ決まります。ここでは選び方の基準と、家庭に一本置くなら押さえたい定番を紹介します。
5-1. 選び方の3つの基準
- 果実含有量:黒スグリの使用量が多いほど香りとコクが豊か
- アルコール度数:15〜20%が主流。高いほど香りが力強い
- 産地:本場はフランス・ブルゴーニュ地方ディジョン
5-2. 家庭に一本なら「ルジェ」
クレーム・ド・カシスの元祖とされるルジェ・ラグートは、1841年創業の老舗で、世界のバーで最も使われる定番です。果実味とバランスに優れ、カシスオレンジはもちろん、キールやカシスソーダなど幅広く使えます。まずはこの一本から始めれば間違いありません。
もう少し軽やかで手に取りやすい価格帯を探すなら、各社のクレーム・ド・カシスを飲み比べてみるのも楽しみ方のひとつです。
6. カシスオレンジのアレンジ・バリエーション
カシスリキュールが一本あれば、割り材を替えるだけで印象の異なる何杯もが楽しめます。カシスオレンジに飽きたら、次の定番アレンジも試してみてください。
- カシスソーダ:炭酸水割り。すっきり爽快で食前に最適
- カシスウーロン:烏龍茶割り。甘さが締まり食事にも合う
- カシスグレープフルーツ:ほろ苦さが加わり大人の味わい
- カシスミルク:牛乳割り。デザート感覚の一杯
- キール:辛口白ワイン割り。フランス生まれの食前酒の定番
とくにキールは、ディジョン市長を務めたフェリックス・キール氏の名にちなむクラシックカクテルで、白ワインとカシスの相性の良さを示す一杯です。シャンパーニュで割れば「キール・ロワイヤル」となり、祝いの席にふさわしい華やかさになります。
7. カシスオレンジに合うおつまみ・楽しみ方
甘く果実味のあるカシスオレンジは、食事よりもおつまみやデザートと好相性です。合わせる一品を選べば、家飲みの満足度はさらに上がります。
- チーズ(とくにクリーム系・青カビ系)
- 生ハムやサラミなどの塩気のある前菜
- ベリー系のタルトやチョコレートなどの甘いデザート
- ミックスナッツやドライフルーツ
甘みのあるカクテルには、塩気や酸味、ほろ苦さのあるつまみを合わせると、味が単調にならず最後まで楽しめます。ゆっくり音楽を流しながら一杯傾ければ、家の時間が上質なバーの雰囲気に近づきます。
麻布十番のジャズバー TOMIJAZ では、白ワインとカシスを合わせた「キール」をはじめ、ジン・ウォッカ・ラムなど各ベースのクラシックカクテルをご用意しています。カシスオレンジのような甘く飲みやすい一杯から、辛口の本格派まで、お客様のお好みとその日の気分に合わせてバーテンダーがご提案します。ニューヨーク仕込みのジャズが流れる落ち着いた空間で、フルーティなリキュールカクテルの一杯をごゆっくりお楽しみください。
| 所在地 | 〒106-0045 東京都港区麻布十番2-8-3 ディケンズ麻布 3F |
|---|---|
| 営業時間 | 月曜〜土曜 19:00〜翌2:00(L.O. 1:30) |
| 定休日 | 日曜・祝祭日 |
| アクセス | 東京メトロ南北線「麻布十番駅」4番出口/都営大江戸線「麻布十番駅」7番出口より徒歩3分 |
| 電話予約 | 03-3454-5566 ※営業時間内のみ |
| ウェブ予約 | 食べログ予約ページ |
まとめ
カシスオレンジは、クレーム・ド・カシスとオレンジジュースを1対4(カシス30ml:オレンジ120ml)で注ぐだけの、家庭でも失敗しにくい定番カクテルです。アルコール度数は3〜5%と軽く、甘く飲みやすいのが魅力。バーの味に近づける鍵は、①良質なカシスリキュール(ルジェなど)を選ぶ、②果汁100%のオレンジジュースをよく冷やす、③グラスと氷を冷やして丁寧にビルドする、の3点です。割り材を替えればカシスソーダやキールへと広がります。麻布十番のジャズバーTOMIJAZでも、キールをはじめリキュールカクテルをご用意していますので、お好みの一杯をぜひカウンターでお楽しみください。
よくある質問(FAQ)
- カシスオレンジの黄金比は?
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カシスリキュール30mlに対してオレンジジュース120mlの「1対4」が基準です。甘さを抑えたいときは1対5、カシスの香りを強めたいときは1対3を目安に、好みで微調整してください。
- カシスオレンジのアルコール度数はどれくらいですか?
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ベースのクレーム・ド・カシスが15〜20%程度のため、完成した一杯はおおよそ3〜5%です。ビールと同程度ですが、甘くて飲みやすいぶん飲み過ぎには注意しましょう。
- カシスオレンジとスクリュードライバーの違いは?
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どちらもオレンジジュース割りですが、スクリュードライバーはウォッカベースで度数が高く辛口、カシスオレンジはリキュールベースで低度数の甘口です。ベースの違いが味と度数を分けます。
- シェイカーがなくても作れますか?
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作れます。カシスオレンジは炭酸を使わないビルド(グラス内で直接混ぜる)で仕上げるカクテルです。氷を入れたグラスに材料を注ぎ、バースプーンで軽く一混ぜするだけで完成します。
- オレンジジュースは果汁100%でなくても良いですか?
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薄めのジュースでも作れますが、味が水っぽくなりがちです。果汁100%、できれば果肉入りを選び、よく冷やしておくとお店に近い厚みのある味わいになります。
- カシスリキュールは開封後どのくらい持ちますか?
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リキュールは度数が比較的高く保存性がありますが、開封後は風味が徐々に落ちます。直射日光と高温を避け、冷暗所で保管し、開封後は数か月〜半年を目安に使い切ると良い状態で楽しめます。
- カシスオレンジはどんな場面に向いていますか?
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甘く低度数で飲みやすいため、乾杯の一杯や食前酒、甘いものが欲しい食後などに向いています。お酒に強くない方やカクテル初心者の最初の一杯にもおすすめです。
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TOMIJAZ Bartenders(トミジャズ・バーテンダーズ)
麻布十番のジャズバーTOMIJAZの現役バーテンダーチーム。創業者・トミがニューヨーク20年・東京14年にわたり築いたジャズバーの歴史を、常連客からオーナーとなった株式会社Envalue代表の水野泰和が2022年11月より受け継いでいます。お酒・ジャズ・空間づくりに関する一次情報を、現場のカウンターから発信しています。


