アレキサンダーの作り方|ブランデーと生クリームの黄金比・飲み方のコツ

暗い木製のバーカウンターに置かれた脚付きのカクテルグラス。ミルクココアのような淡いベージュ色のなめらかなカクテルの表面に細かな泡が立ち、中央に削りたてのナツメグが散らしてある。脇にはナツメグの実と小さなおろし金、奥には霜のついたシェイカーとブランデーの瓶、生クリームの小さなピッチャーがぼやけて写る

「アレキサンダーって甘すぎるのでは」「家で作るとカカオと生クリームがうまく混ざらない」「ブランデーは何を選べばいいの」──デザートのように甘いアレキサンダーは、いざ家で作ると分離したり甘さが決まらなかったりと、つまずきやすい一杯です。結論から言えば、アレキサンダーはブランデー2・クレーム・ド・カカオ(ブラウン)1・生クリーム1の割合を、氷とともにしっかりシェイクすれば、なめらかで飲みやすい一杯に仕上がります。本記事では、アレキサンダーの基礎から、材料と道具の選び方、黄金比と作り方、飲みやすく仕上げるコツ、アレンジと楽しみ方までを、麻布十番のジャズバーTOMIJAZが解説します。

アレキサンダーはブランデーをベースに、クレーム・ド・カカオ(ブラウン)と生クリームを合わせたデザートカクテルです。まず3つの材料を用意し、黄金比はブランデー2・クレーム・ド・カカオ1・生クリーム1(例:ブランデー30ml・カカオ15ml・生クリーム15ml)。すべてをシェイカーに入れて強めにシェイクし、仕上げにナツメグを削りかけます。口当たりは甘くマイルドですが、ベースがブランデーのため度数はおおよそ20度前後とワインより高く、食後の一杯としてゆっくり味わうのが向いています。

アレキサンダーの原型は20世紀初頭のアメリカで生まれたジンベースのカクテルで、1916年に刊行されたヒューゴ・エンスリンの『Recipes for Mixed Drinks』には、ジン・クレーム・ド・カカオ・生クリームを同量で合わせるレシピが記録されています。名前の由来にはニューヨークのレストラン「レクターズ」のバーテンダー説などがあり、諸説あります。その後、ベースをブランデーに替えた「ブランデー・アレキサンダー」が広まり、今日ではこちらが定番として親しまれています。

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目次

1. アレキサンダーとは|甘く濃厚なデザートカクテル

アレキサンダーは、ブランデーの香りとカカオ・生クリームのコクが溶け合う、デザートのように甘いショートカクテルです。まずはどんな味わいと見た目なのか、なぜ「ブランデー・アレキサンダー」と呼ばれるのか、そして度数の目安を確認していきます。

1-1. どんな味・見た目のカクテルか

アレキサンダーは、チョコレートミルクを思わせる甘くまろやかな味わいが特徴です。ブランデーのふくよかな香りに、クレーム・ド・カカオのカカオ感と生クリームのコクが重なり、アルコールの刺激を感じにくいなめらかな口当たりに仕上がります。見た目は生クリームによる淡いベージュから薄い茶色で、表面に削ったナツメグを散らすのが伝統的なスタイルです。

1-2. 原型はジン、定番はブランデー

現在「アレキサンダー」と呼べば一般にブランデーベースを指しますが、原型はジンを使ったカクテルでした。20世紀初頭のアメリカで生まれ、後にベースがブランデーに置き換わった「ブランデー・アレキサンダー」が広く定着した経緯があります。ブランデーの熟成香はカカオや生クリームの甘さとよくなじみ、デザートカクテルらしい奥行きが生まれます。

1-3. アルコール度数の目安

ベースはブランデー(およそ40度)ですが、カカオリキュールと生クリームで割るぶん、完成したカクテルの度数はおおよそ20度前後が目安です。同じブランデーベースのサイドカー(約26〜30度)よりは穏やかなものの、ワイン(約12〜14度)よりはずっと高く、レシピの比率やシェイクで溶ける氷の量によっても変わります。甘さで飲みやすく感じられるぶん杯が進みやすいので、食後にゆっくり味わうのがおすすめです。

2. 材料と道具|3つの材料で作れる

アレキサンダーは、ブランデー・クレーム・ド・カカオ・生クリームという3つの材料があれば作れます。それぞれの選び方と、仕上がりを左右する道具を確認しましょう。材料の質がそのまま味に出るシンプルなカクテルです。

2-1. ブランデー(V.S.O.P.以上がおすすめ)

ベースのブランデーは、香りと余韻がしっかりしたV.S.O.P.クラス以上を選ぶと、甘い材料に負けずに骨格が生まれます。コニャックなら、レミーマルタンやヘネシーのV.S.O.P.が手に入りやすい定番です。ブランデーの産地や等級の違いをもう少し知りたい方は、ブランデーの種類を解説した記事もあわせてご覧ください。

レミーマルタン VSOP 700ml
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ヘネシー V.S.O.P フィーヌ・シャンパーニュ 正規品 700ml
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¥12,045

2-2. クレーム・ド・カカオはブラウンを選ぶ

クレーム・ド・カカオには、色の付いたブラウン(ダーク)と無色透明のホワイトがあります。ブランデー・アレキサンダーには、カカオの香ばしさと色みが加わるブラウンを使うのが定番です。ホワイトは仕上がりを淡い色に保ちたいときに用いられ、後述するジン・アレキサンダーで合わせることもあります。

ボルス クレーム・ド・カカオ ブラウン 700ml
ボルス クレーム・ド・カカオ ブラウン 700ml
¥1,370

2-3. 生クリームとナツメグ

生クリームは乳脂肪分の高い動物性のものを使うと、コクとなめらかさが出ます。分量が少ないので、開封したての新鮮なものを用意しましょう。仕上げに削りかけるナツメグは、甘い香りに奥行きとほろ苦さを添える伝統的なガーニッシュです。ホールのナツメグをグレーターで削ると香りが際立ちますが、パウダーでも代用できます。

2-4. 道具(シェイカーとグラス)

生クリームを含むアレキサンダーは、材料をしっかり乳化させる必要があるため、シェイカーが欠かせません。仕上げは脚付きのカクテルグラスに注ぐと、色みと香りを楽しみやすくなります。グラスはあらかじめ冷蔵庫や氷で冷やしておくと、なめらかな口当たりが長持ちします。

東洋佐々木ガラス レガート カクテルグラス 90ml
東洋佐々木ガラス レガート カクテルグラス 90ml
¥769

3. 黄金比と作り方|ブランデー2:カカオ1:生クリーム1

アレキサンダーの黄金比は、ブランデー2・クレーム・ド・カカオ1・生クリーム1です。まずは分量の考え方を押さえ、続けて作り方の手順を順を追って説明します。

3-1. 黄金比の考え方

標準的な黄金比はブランデー2・クレーム・ド・カカオ(ブラウン)1・生クリーム1で、実際の分量にするとブランデー30ml・クレーム・ド・カカオ15ml・生クリーム15mlが目安です。ブランデーを最も多く、カカオと生クリームを同量にするのが基本の考え方です。なお、IBA(国際バーテンダー協会)の公式レシピは3つを同量(各30ml)で合わせる「1・1・1」です。カカオと生クリームの割合が増えるぶん、2・1・1よりも甘くまろやかな口当たりになるので、甘さを控えたいなら2・1・1から始めるのがおすすめです。

3-2. 作り方の手順

  • シェイカーに氷を7分目まで入れる。
  • ブランデー30ml・クレーム・ド・カカオ(ブラウン)15ml・生クリーム15mlを注ぐ。
  • 生クリームが均一に混ざるよう、いつもより強く長めにシェイクする。
  • 氷を止めながら、冷やしておいたカクテルグラスに注ぐ。

生クリームを使うカクテルは、材料が分離しやすいのが難点です。シェイクは「材料を冷やす」というより「乳化させて一体にする」イメージで、表面がふわりと泡立つまでしっかり振るのがポイントです。

3-3. 仕上げにナツメグを削りかける

グラスに注いだら、表面にナツメグを軽く削りかけて完成です。ナツメグの香りが立ち上ることで、甘さの中に大人びた余韻が生まれます。香りを楽しむカクテルなので、注いだらすぐに飲み始めるのがおすすめです。

4. 飲みやすく仕上げるコツ

家庭で作るときにつまずきやすいのは、材料が混ざりきらず口当たりがざらつく点と、甘さの調整です。次の3つのコツを押さえれば、バーで味わうようななめらかな一杯に近づきます。

4-1. しっかり・長めにシェイクする

生クリームが入るアレキサンダーは、通常のカクテルより長めにシェイクして乳化させることが最大のコツです。振りが足りないと生クリームが浮いて分離し、口当たりがざらつきます。シェイカーの表面がしっかり冷えて霜が付くくらいまで、リズミカルに振り込みましょう。

4-2. 材料と道具をよく冷やす

ブランデー・生クリーム・グラス・シェイカーは、あらかじめ冷やしておくと仕上がりが安定します。材料がぬるいとシェイク中に氷が溶けすぎて水っぽくなり、逆によく冷えていれば、長めにしっかり振っても水っぽくならずになめらかにまとまります。生クリームは特に温度が上がると分離しやすいため、直前まで冷蔵庫に入れておきましょう。

4-3. 甘さは生クリームとカカオで調整

甘すぎると感じたら、クレーム・ド・カカオを少し減らしてブランデーを増やすと、キリッと引き締まります。逆にアルコールをやわらげたいときは生クリームを増やすとまろやかになります。甘さのわりに度数は20度前後とワインより高いので、他のカクテルの度数も知りたい方はカクテルの度数一覧を目安にすると、その日の体調やペースに合わせて選べます。

5. アレンジと楽しみ方|食後の一杯として

基本のアレキサンダーを覚えたら、ベースを替えたアレンジや、食後のシーンでの楽しみ方も広がります。甘く濃厚な一杯だからこそ映えるシーンを紹介します。

5-1. ジン・アレキサンダー(原型)

ブランデーの代わりにジンを使うと、原型である「ジン・アレキサンダー」になります。ジンのボタニカルな香りとカカオが意外なほどよく合い、ブランデー版よりも軽やかな印象です。淡い色みを保ちたいときは、ホワイトのクレーム・ド・カカオを合わせることもあります。

5-2. チョコレートやスパイスを添えたアレンジ

カカオの風味をより濃くしたいときは、削ったチョコレートを少量あしらったり、仕上げのナツメグにシナモンを合わせたりすると、デザート感が増します。食後にコーヒーと合わせれば、チョコレートケーキのような満足感のある締めくくりになります。

5-3. 食後のデザートカクテルとして

アレキサンダーは、食事のあとに甘い余韻を楽しむ一杯として最適です。同じブランデーベースでも、辛口ですっきり締めたい日にはサイドカーという選択肢もあり、その日の気分で甘口と辛口を選び分けられるのがブランデーカクテルの魅力です。麻布十番のTOMIJAZでも、アレキサンダーとサイドカーの両方をジャズの調べとともに味わえます。

麻布十番でアレキサンダー(ブランデーカクテル)を楽しむなら:TOMIJAZのご案内

麻布十番のジャズバー TOMIJAZ では、ブランデーベースの古典カクテル「アレキサンダー」(¥1,500)をご用意しています。ブランデーベースのカクテルは、このアレキサンダーとサイドカー、ニコラシカの3種(各¥1,500)です。甘い余韻をさらに深めたい方は、フードのチョコレート(¥1,500)を添えるのもおすすめです。ベースのコニャックをストレートで味わうなら、レミーマルタン VSOP(Glass ¥2,000)とヘネシー VSOP(Glass ¥3,500)をグラスでお試しいただけ、特別な一杯にはヘネシー XO もご用意しています(価格はスタッフにお尋ねください)。食後の甘い余韻を楽しむ一杯として、ジャズが流れる空間でアレキサンダーをゆっくりお愉しみください。

所在地〒106-0045 東京都港区麻布十番2-8-3 ディケンズ麻布 3F
営業時間月〜水 19:00〜24:00(L.O. 23:30)/木・金 19:00〜翌2:00(L.O. 翌1:30)/土 19:00〜23:30(L.O. 23:00)
定休日日曜・祝祭日 ※土曜は不定休
アクセス東京メトロ南北線「麻布十番駅」4番出口/都営大江戸線「麻布十番駅」7番出口より徒歩3分
電話予約03-3454-5566 ※営業時間内のみ
ウェブ予約食べログ予約ページ

まとめ

アレキサンダーは、ブランデーにクレーム・ド・カカオ(ブラウン)と生クリームを合わせた、甘く濃厚なデザートカクテルです。黄金比はブランデー2・クレーム・ド・カカオ1・生クリーム1(ブランデー30ml・カカオ15ml・生クリーム15ml)。生クリームが分離しないよう、いつもより強く長めにシェイクして乳化させ、冷やしたグラスに注いで仕上げにナツメグを削りかけるのがコツです。口当たりは甘くマイルドですが度数はおおよそ20度前後とワインより高いため、食後にゆっくり味わうのが向いています。麻布十番のジャズバーTOMIJAZでは、アレキサンダー・サイドカー・ニコラシカの3種のブランデーカクテルを、ジャズの調べとともにお愉しみいただけます。

よくある質問(FAQ)

アレキサンダーの度数はどのくらいですか?

ベースがブランデー(およそ40度)のため、カカオリキュールと生クリームで割るため、完成したカクテルの度数はおおよそ20度前後が目安です。レシピの比率やシェイクで溶ける氷の量によって変わります。サイドカー(約26〜30度)よりは穏やかですが、ワイン(約12〜14度)よりは高いので、甘く飲みやすく感じてもゆっくり味わうのがおすすめです。

クレーム・ド・カカオはブラウンとホワイトのどちらを使いますか?

ブランデー・アレキサンダーには、カカオの香ばしさと色みが加わるブラウン(ダーク)を使うのが定番です。無色透明のホワイトは、仕上がりを淡い色に保ちたいときに使い、ジンで作るアレキサンダーで合わせることもあります。

ジンで作るアレキサンダーとの違いは何ですか?

アレキサンダーの原型はジンベースで、後にベースをブランデーに替えたものが「ブランデー・アレキサンダー」として定着しました。ジン版はボタニカルな香りで軽やかな印象になり、淡い色みを保ちたいときはホワイトのクレーム・ド・カカオを合わせることもあります。

家で分離させずになめらかに作るコツは?

最大のコツは、通常のカクテルより長めに強くシェイクして生クリームを乳化させることです。振りが足りないと生クリームが浮いて分離し、口当たりがざらつきます。材料・グラス・シェイカーをあらかじめよく冷やしておくと、仕上がりがさらに安定します。

甘すぎると感じたときはどう調整しますか?

クレーム・ド・カカオを少し減らしてブランデーを増やすと、甘さが抑えられてキリッと引き締まります。逆にアルコールをやわらげたいときは生クリームを増やすと、よりまろやかになります。

ナツメグは必ず必要ですか?

必須ではありませんが、ナツメグを削りかけると甘い香りに奥行きとほろ苦さが加わり、大人びた余韻に仕上がります。ホールを削ると香りが際立ちますが、パウダーでも代用できます。

アレキサンダーは食前・食後のどちらに向いていますか?

甘く濃厚なデザートカクテルなので、食後に甘い余韻を楽しむ一杯として向いています。チョコレートケーキのような満足感があり、コーヒーとの相性も良好です。

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この記事を書いた人

TOMIJAZ Bartenders(トミジャズ・バーテンダーズ)

麻布十番のジャズバーTOMIJAZの現役バーテンダーチーム。創業者・トミがニューヨーク20年・東京14年にわたり築いたジャズバーの歴史を、常連客からオーナーとなった株式会社Envalue代表の水野泰和が2022年11月より受け継いでいます。お酒・ジャズ・空間づくりに関する一次情報を、現場のカウンターから発信しています。

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