ニコラシカの飲み方|砂糖とレモンをのせブランデーを口で仕上げる3手順

夜のバーカウンターで、ブランデーを満たした小さなリキュールグラスに砂糖を山形にのせた輪切りレモンでふたをしたニコラシカ(ニコラシカの飲み方のイメージ)

「ニコラシカって何のお酒?」「レモンと砂糖をどうやって飲むの?」「飲み方の順番が分からない」──ニコラシカは、見た目の珍しさゆえに最初の一杯で戸惑いやすいカクテルです。結論から言えば、ニコラシカはブランデーを注いだグラスに砂糖をのせたレモンをかぶせ、そのレモンを口に含んで噛んでからブランデーを流し込む、「口の中でカクテルを仕上げる」食後の一杯です。本記事では、ニコラシカとは何か、使う材料と道具、3手順の飲み方、味の変化と楽しむコツ、アレンジと飲むときの注意までを、麻布十番のジャズバーTOMIJAZが解説します。

ニコラシカはブランデー・レモン・砂糖(伝統的には挽いたコーヒーも)という少ない材料で作る、器具を使わず口の中で味を完成させる珍しいカクテルです。用意するのはV.S.O.P.クラスのブランデー30mlほど、薄めの輪切りレモン1枚、砂糖小さじ1ほど、そして容量30〜40mlほどの小さなリキュールグラス。飲み方はたった3手順で、砂糖をのせたレモンを口に含んで噛み、その直後にブランデーを流し込むと、酸味・甘み・熟成香が一体になります。コーヒーを加える伝統スタイルや、同じブランデーベースのサイドカー・アレキサンダーとの違いも紹介します。割り材を使わないためブランデー(約40度)の強さがそのまま伝わる、食後にゆっくり味わう一杯です。

ニコラシカの生まれについては、ドイツの港町ハンブルクの酒場で生まれたという説や、ロシア皇帝ニコライ2世にちなむという説が紹介されていますが、どちらも確かな記録は見当たりません。名前はロシアの男性名ニコライの愛称形「ニコラーシュカ」と同じ響きで、なぜこの飲み物にその名が付いたのかには定説がありません。おもしろいのは飲む順番で、海外のレシピにはブランデーを先に口に含んでからレモンをかじる手順も見られる一方、日本のバーでは「砂糖をのせたレモンを先に噛み、そこへブランデーを流し込む」順が定着しています。本記事はこの日本で定着している飲み方で解説します。

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目次

1. ニコラシカとは|口の中で仕上げるブランデーカクテル

ニコラシカは、シェーカーやミキシンググラスといった器具を一切使わず、飲む人自身が口の中で味を組み立てる、珍しいスタイルのカクテルです。ベースはブランデーのみで、そこにレモンと砂糖が加わります。まずはどんな飲み物なのか、その正体と立ち位置から整理します。

1-1. 器具を使わず「口の中」で仕上げる一杯

ニコラシカ最大の特徴は、グラスの中では混ぜず、飲み手の口の中でカクテルを完成させる点にあります。ブランデーを注いだグラスにレモンをのせ、その上に砂糖を置く。このレモンと砂糖を先に口に含んで軽く噛み、酸味と甘みが広がったところへブランデーを流し込みます。一般的なカクテルが「作り手が完成させて提供する」のに対し、ニコラシカは「飲み手が最後の一手を担う」飲み物だといえます。

1-2. ベースはブランデー(度数はおよそ40度)

ニコラシカのベースはブランデーです。ブランデーは果実(多くはブドウ)を発酵させたお酒を蒸留して樽熟成させた蒸留酒で、アルコール度数はおよそ40度(40%前後)と高めです。ニコラシカは割り材で薄めないため、口に流し込むブランデーは原酒に近い強さがあります。レモンの酸味と砂糖の甘みがその強さをまろやかに包み、熟成由来の香りを引き立てます。ブランデーそのものの種類や選び方についてはブランデーの種類完全ガイドで詳しく解説しています。

1-3. 「飲む」より「味わって仕上げる」楽しみ

ニコラシカは、喉の渇きを潤すための飲み物ではありません。食後に一杯だけ、ゆっくり味わうための大人のカクテルです。レモンを噛んだ瞬間の酸味、砂糖の甘み、そしてブランデーの熟成香が口の中で次々と移り変わる様子そのものを楽しみます。少量をじっくり味わうスタイルなので、食事の締めくくりやバーでの最後の一杯に向いています。

2. ニコラシカに使う材料と道具

ニコラシカは材料が少なく、特別な器具も要りません。家庭でも再現しやすい一方、素材一つひとつの質がそのまま味に出ます。ここでは、そろえておきたい材料と道具を一つずつ確認します。

2-1. ブランデー(V.S.O.P.クラスが目安)

主役はブランデーです。割らずにそのまま口へ流し込むため、香りと余韻のよいものを選びたいところ。初心者にはV.S.O.P.クラスがおすすめで、適度な熟成感と飲みやすさのバランスがとれています。コニャックの「レミーマルタン VSOP」や「ヘネシー VSOP」などが定番です。V.S.クラスでも作れますが、割らずに味わうぶん、熟成感のあるV.S.O.P.のほうがレモンの酸味と砂糖の甘みに負けない香りが残ります。

レミーマルタン VSOP 700ml 正規品
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ヘネシー VSOP フィーヌ シャンパーニュ 700ml 正規品
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2-2. レモン(薄めの輪切り1枚)

レモンはグラスの口をふさげる大きさの輪切りを1枚用意します。皮ごと口に含むので、国産でノーワックスのものがあれば安心です。厚すぎると噛んだときに果汁と皮の苦みが勝ってブランデーの香りを覆い、薄すぎると砂糖をのせたときにたわみやすくなるので、無理なく噛み切れる薄めの輪切りにします。

2-3. 砂糖とコーヒー(粉)

レモンにのせるのは砂糖を小さじ1杯ほどです。上白糖やグラニュー糖のほか、細かい粉糖だと溶けやすく口当たりがなめらかになります。伝統的なスタイルでは、砂糖に加えて挽いたコーヒー(粉)を少量のせることがあり、香ばしさとほろ苦さが加わって味に奥行きが生まれます。まずは砂糖だけで試し、慣れてきたらコーヒーを少量足すと変化を楽しめます。

2-4. 小さなリキュールグラス

グラスはガラス製の小さなリキュールグラスが定番で、容量は30〜40mlほどです。レモンでふたをする形になるので、口径がレモンの輪切りより小さいことが条件。ショットグラスでも作れますが、口の広いものはレモンが中に落ちてしまうため、縁にレモンが安定して乗るかを基準に選びます。

東洋佐々木ガラス 310ライン リキュールグラス(31039)
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3. ニコラシカの飲み方|3手順

ここからが本題です。ニコラシカの飲み方は、覚えてしまえば驚くほどシンプルで、わずか3手順で完成します。順番を守ることが、味を一体にする最大のポイントです。

3-1. 手順1:グラスにブランデーを注ぐ

まず、ショットグラスにブランデーを注ぎます。量はグラスの八分目、30mlほどが目安です。ブランデーは常温のまま使うのが基本で、冷やす必要はありません。注いだら表面を乱さないよう、グラスを静かにカウンターへ置きます。

3-2. 手順2:レモンをのせ、砂糖(とコーヒー)をのせる

次に、輪切りレモンをグラスの口にふたをするようにのせます。レモンの中央に砂糖を小さじ1ほどのせ、伝統スタイルならさらに挽いたコーヒーを少量重ねます。砂糖をメジャーカップや計量スプーンに詰めて軽く押し固め、レモンの上で返すと山形に崩れずに乗り、グラスが帽子をかぶったような見た目に整います。ここまでが作り手の仕事で、最後の一手は飲み手に委ねられます。

3-3. 手順3:レモンを口に含み、噛んでからブランデーを流し込む

仕上げは飲み手の番です。砂糖をのせたレモンを口に含み、軽く噛んで酸味と甘みを広げます。砂糖がこぼれないよう、レモンを二つ折りにして砂糖を包むように口へ運ぶとスムーズです。その直後、間を置かずにグラスのブランデーを流し込みます。口の中でレモンの酸、砂糖の甘み、ブランデーの熟成香が混ざり合い、まさに「口の中でカクテルが完成する」瞬間が訪れます。噛んでからブランデーを流し込むまでを一息で行うのが、味を一体にするコツです。

ニコラシカ成功の鍵は「順番」です。①ブランデーを注ぐ、②砂糖をのせたレモンをかぶせる、③レモンを口に含んで噛み、すぐにブランデーを流し込む。この3手順を一息の流れで行えば、口の中で酸味・甘み・熟成香が一体になります。

4. ニコラシカの味の変化と楽しむコツ

ニコラシカの醍醐味は、口の中で刻々と移り変わる味の変化にあります。ここでは、どんな味わいが生まれるのか、そして失敗せずに楽しむためのコツを整理します。

4-1. 酸味・甘み・熟成香が一体になる味わい

口に含んだ瞬間はレモンの鮮烈な酸味、噛むほどに広がる砂糖のやわらかな甘み、そこへブランデーの芳醇な熟成香が重なります。酸味がブランデーの刺激を和らげ、甘みが余韻を長く引き、三者が溶け合うことで、割り材を使わないのにまろやかな一杯になります。コーヒーを加えると、香ばしさとほろ苦さが加わって大人びた印象に変わります。

4-2. 温度とタイミング(常温・食後に)

ブランデーは常温のまま使うのが基本です。冷やすと香りが閉じてしまい、ニコラシカの持ち味である熟成香が立ちにくくなります。飲むタイミングは食後がおすすめで、満たされた食卓の締めくくりに、少量をゆっくり味わうと真価が分かります。

4-3. よくある失敗と対処

つまずきやすいのは順番です。ブランデーを先に飲んでしまうと、レモンと砂糖が後追いの口直しになり、口の中で一体になる感覚が得られません。日本式では必ずレモンを先に口へ運びます。また、砂糖が少なすぎると酸味だけが際立つため、甘みはややしっかりめにのせるのが成功のコツ。レモンを厚く切りすぎると果汁が出すぎてブランデーの香りを覆ってしまうので、薄切りを守りましょう。

5. ニコラシカのアレンジと飲むときの注意

基本を覚えたら、伝統的なコーヒー入りのスタイルや、同じブランデーベースのカクテルにも目を向けてみましょう。あわせて、度数の高いニコラシカを楽しむうえで知っておきたい点にも触れます。

5-1. コーヒーを使う伝統スタイル

前述のとおり、砂糖に挽いたコーヒーを重ねるのが伝統的なスタイルです。コーヒーのほろ苦さがブランデーのコクと響き合い、食後酒としての完成度がさらに高まります。甘さを控えたい方は砂糖を少し減らし、コーヒーをやや多めにすると、ビターな大人の味わいになります。

5-2. あわせて知りたいブランデーカクテル

ブランデーベースのカクテルをもっと知りたい方には、同じブランデーにオレンジ・リキュールとレモンを合わせるサイドカーや、生クリームとカカオのリキュールで甘く仕上げるアレキサンダーもおすすめです。いずれもニコラシカとは対照的に、グラスの中で味を完成させて提供する古典カクテルで、飲み比べると味づくりの違いがよく分かります。度数の目安はカクテルの度数一覧の区分に合わせると次のとおりです。

カクテル材料作り方度数の目安
ニコラシカブランデー・レモン・砂糖口の中で仕上げるブランデーそのもの(約40度)を口に含む
サイドカーブランデー・オレンジリキュール・レモン果汁シェイク約26〜30度
アレキサンダーブランデー・カカオリキュール・生クリームシェイク約20度前後

5-3. 度数が高いゆえの楽しみ方

ニコラシカは割り材を使わないため、ベースのブランデー(およそ40度)の強さがそのまま伝わります。一度に多くを飲むのではなく、一杯をじっくり味わうのが本来の楽しみ方です。空腹時を避け、水(チェイサー)を用意しておくと飲むペースを整えられます。お酒に弱い方や車を運転する予定のある方は無理をせず、ノンアルコールの選択肢を選びましょう。

麻布十番でニコラシカを楽しむなら:TOMIJAZのご案内

麻布十番のジャズバー TOMIJAZ では、口の中で仕上げるブランデーカクテル「ニコラシカ」(¥1,500)をメニューでご用意しています。ブランデーベースのカクテルは、このニコラシカとサイドカー、アレキサンダーの3種(各¥1,500)。キリッとした酸味ならサイドカー、甘い食後の一杯ならアレキサンダーと、5章で比べた3杯は、いずれもカウンターでお試しいただけます。ベースのコニャックをストレートで味わうなら、レミーマルタン VSOP(Glass ¥2,000)とヘネシー VSOP(Glass ¥3,500)をグラスで、特別な一杯にはヘネシー XO もご用意しています(価格はスタッフにお尋ねください)。ストレートには無料のお水をお添えします。ジャズの調べに包まれながら、食後の一杯をゆっくりとお過ごしください。

所在地〒106-0045 東京都港区麻布十番2-8-3 ディケンズ麻布 3F
営業時間月〜水 19:00〜24:00(L.O. 23:30)/木・金 19:00〜翌2:00(L.O. 翌1:30)/土 19:00〜23:30(L.O. 23:00)
定休日日曜・祝祭日 ※土曜は不定休
アクセス東京メトロ南北線「麻布十番駅」4番出口/都営大江戸線「麻布十番駅」7番出口より徒歩3分
電話予約03-3454-5566 ※営業時間内のみ
ウェブ予約食べログ予約ページ

まとめ

ニコラシカは、ブランデーを注いだグラスに砂糖をのせたレモンをかぶせ、そのレモンを口に含んで噛んでからブランデーを流し込む、口の中でカクテルを仕上げる食後の一杯です。材料はブランデー・レモン・砂糖(伝統的には挽いたコーヒーも)とシンプルで、飲み方は「注ぐ→のせる→口で仕上げる」の3手順。V.S.O.P.クラスのブランデーを常温で使い、レモンを先に口へ運ぶ順番を守れば、酸味・甘み・熟成香が一体になります。ベースはおよそ40度と度数が高いので、食後に一杯だけゆっくり味わうのがおすすめです。麻布十番のジャズバーTOMIJAZでも、ニコラシカをメニューでご用意しています。

よくある質問(FAQ)

ニコラシカはどんな飲み物ですか?

ニコラシカは、ブランデーを注いだグラスに砂糖をのせたレモンをかぶせ、そのレモンを口に含んで噛んでからブランデーを流し込む、口の中でカクテルを完成させるブランデーベースの食後酒です。シェーカーなどの器具を使わないのが特徴です。

ニコラシカの正しい飲み方の順番は?

日本のバーで定着しているのは「①ブランデーを注ぐ→②砂糖をのせたレモンをかぶせる→③レモンを口に含んで噛み、すぐにブランデーを流し込む」の3手順です。ブランデーを先に飲むとレモンと砂糖が口直しになってしまうため、レモンを先に口へ運びます。

どんなブランデーを選べばいいですか?

割らずにそのまま味わうため、香りと余韻のよいものが向きます。初心者にはV.S.O.P.クラスがおすすめで、レミーマルタン VSOPやヘネシー VSOPなどが定番です。V.S.クラスだとレモンと砂糖に風味が負けやすくなります。

砂糖とコーヒーは両方のせる必要がありますか?

必須ではありません。砂糖だけでも十分に楽しめます。砂糖に挽いたコーヒーを少量重ねるのが伝統的なスタイルで、香ばしさとほろ苦さが加わります。まず砂糖だけで試し、慣れてからコーヒーを足すと変化を楽しめます。

レモンは皮ごと噛むのですか?

はい、薄切りにしたレモンを砂糖ごと口に含み、軽く噛んで酸味と甘みを広げます。皮ごと口に含むので、国産でノーワックスのレモンがあると安心です。厚く切りすぎないのがコツです。

アルコール度数はどのくらいですか?

ベースのブランデーはおよそ40度(40%前後)で、ニコラシカは割り材で薄めないため度数は高めです。一度にたくさん飲むのではなく、食後に一杯だけゆっくり味わうのに向いています。

家でも作れますか?

作れます。V.S.O.P.クラスのブランデー、薄めの輪切りレモン1枚、砂糖小さじ1ほど、容量30〜40mlほどのリキュールグラスがあれば再現できます。ブランデーは常温のまま使い、レモンを先に口へ運ぶ順番さえ守れば、家庭でもバーの味わいに近づけます。

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この記事を書いた人

TOMIJAZ Bartenders(トミジャズ・バーテンダーズ)

麻布十番のジャズバーTOMIJAZの現役バーテンダーチーム。創業者・トミがニューヨーク20年・東京14年にわたり築いたジャズバーの歴史を、常連客からオーナーとなった株式会社Envalue代表の水野泰和が2022年11月より受け継いでいます。お酒・ジャズ・空間づくりに関する一次情報を、現場のカウンターから発信しています。

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