ギネスビールとは|ドライスタウトの味わいと香り・3種類の違い・飲み方

クリーミーな白い泡が盛り上がるパイントグラスの黒ビール、縁がルビー色に透ける(ギネスビールのイメージ)

「黒くて重そうで、最後まで飲み切れるか不安」「度数が高そう」「お店のようにクリーミーな泡で注げない」──ギネスビールには、そんな声がつきものです。結論から言えば、ギネスはアイルランド生まれのドライスタウトで、見た目ほど度数は高くなく(ドラフトで約4.2〜4.5%)、焙煎した大麦の香ばしさとクリーミーな泡が魅力の、意外なほど飲みやすい一杯です。本記事では、スタウトとしての正体、種類ごとの違い、味わいと香り、本場の注ぎ方、料理との合わせ方までを、麻布十番のジャズバーTOMIJAZが解説します。

ギネスはアイルランド・ダブリン発祥のドライスタウトで、グラスの中では黒く見えますが、光に透かすと深いルビー色をしています。代表的なタイプはドラフト(約4.2〜4.5%)・エクストラスタウト(約5%)・フォーリン・エクストラ・スタウト(約7.5%)の3つで、日本で手に入りやすいのはドラフトとエクストラスタウトの2つです。味わいの核は、焙煎した大麦の香ばしい苦みと、窒素が生むきめ細かくクリーミーな泡にあります。本場の樽生は1杯を2回に分けて注ぎ、泡を落ち着かせてから注ぎ足して仕上げます。ギネス社はこの2段階注ぎにかける時間の目安を119.5秒としています。6度前後のやや高めの温度で、肉料理やチョコレートと合わせると持ち味が引き立ちます。

ギネスの歴史は1759年、アーサー・ギネスがアイルランド・ダブリンのセント・ジェームズ・ゲート醸造所を、年間45ポンド・9,000年という長期契約で借り受けたことに始まります。その契約書への署名は、同年の12月31日に交わされました。当初はエールも造っていましたが、やがて黒いポーター、そしてスタウトへと主力を移していきます。クリーミーな泡で知られる窒素入りのドラフトタイプは、このリース契約から200年にあたる1959年に登場したものです。長い歴史を重ね、ギネスは世界を代表するスタウトとなりました。

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目次

1. ギネスビールとは|黒く見えて実はルビー色のドライスタウト

ギネスはアイルランド・ダブリンで生まれた黒ビールの代名詞で、ビールのスタイルとしては「スタウト」に分類されます。まずは、スタウトというスタイルの立ち位置と、黒く見える色の正体から見ていきましょう。

1-1. スタウトとポーターの違い

ビールは麦芽とホップを原料に発酵させた醸造酒で、使う麦芽や酵母によって多彩なスタイルに分かれます。スタウトは、18世紀のロンドンで人気を集めた濃色ビール「ポーター」から派生したスタイルです。

もともと「スタウト」は「強い(度数の高い)ポーター」を指す言葉でした。現在では、焙煎した大麦や大麦麦芽を使い、コーヒーやビターチョコを思わせる香ばしい苦みを持つ濃色ビールを広く指します。ギネスはその中でも、苦みと軽快なのど越しを両立した「ドライスタウト」の代表格です。IPAやスタウトなどスタイル別の違いは、クラフトビールおすすめ10選でも整理しています。

1-2. ギネスの色は「黒」ではなく「ルビー色」

ギネスは一見すると真っ黒ですが、グラスを明るい光に透かすと、縁の部分が深いルビー色(赤褐色)に見えます。これはギネス社自身も公表している事実で、黒い見た目は焙煎した大麦の色によるものです。

次にグラスでギネスを飲むときは、ぜひ窓際や照明に透かしてみてください。黒一色ではなく、芯に赤みが差しているのが分かります。色の正体は焙煎した大麦で、苦みや香ばしさとも深く結びついています。

2. ギネスビールの種類|ドラフト・エクストラスタウト・フォーリンの違い

ギネスの代表的なタイプは3つあります。日本で手に入りやすいのはドラフトとエクストラスタウトで、フォーリン・エクストラ・スタウトは主に海外で飲まれているタイプです。度数や味わい、楽しめる形態が異なるので、好みやシーンに合わせて選びましょう。

2-1. ギネス ドラフト|窒素が生むクリーミーな一杯

もっとも広く親しまれているのが「ギネス ドラフト」です。窒素を使った注入方式により、きめ細かくクリーミーな泡と、なめらかな口当たりが生まれます。アルコール度数は約4.2〜4.5%(日本で流通するキリンの缶「ドラフトギネス」は4.5%)と、黒く重厚な見た目に反して控えめです。

樽生はもちろん、窒素カプセル(ウィジェット)を内蔵した缶でも、家庭で樽生に近い泡を再現できます。初めての一本には、このドラフトタイプが扱いやすくおすすめです。

ドラフトギネス 330ml 缶 24本
ドラフトギネス 330ml 缶 24本
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2-2. ギネス エクストラスタウト|瓶で味わう濃厚な苦み

「ギネス エクストラスタウト」(日本では「オリジナル エクストラスタウト」の名でも流通)は、窒素ではなく炭酸ガスで仕上げる瓶タイプで、日本で流通するものの度数は約5%。ドラフトよりも炭酸が強く、ホップの苦みと焙煎香がよりはっきりと感じられます。ドラフトのまろやかさに対して、より飲みごたえを求める方に向くタイプです。

同じギネスでも、ドラフトとエクストラスタウトでは泡立ちも苦みの出方も異なります。飲み比べると、その違いがよく分かります。

ギネス オリジナルエクストラスタウト 330ml 瓶 24本
ギネス オリジナルエクストラスタウト 330ml 瓶 24本
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2-3. ギネス フォーリン・エクストラ・スタウト|力強い高アルコールタイプ

「フォーリン・エクストラ・スタウト」は、輸出向けに度数を高めたタイプで、一般には約7.5%とされます(販売される国・市場によって度数には幅があります)。ホップを多めに使い、長期輸送に耐えるよう造られた、力強く複雑な味わいが特徴です。アフリカやアジアなど海外では広く飲まれていますが、日本の店頭ではほとんど見かけません。

3タイプを度数の低い順に並べると、ドラフト(約4.2〜4.5%)→エクストラスタウト(約5%)→フォーリン・エクストラ・スタウト(約7.5%)となります。まずはドラフトから入り、より力強い苦みが欲しくなったらエクストラスタウトへ進むのがおすすめです。

3. ギネスの味わいと香り|焙煎した大麦が生むコクと泡

ギネス最大の魅力は、焙煎した大麦ならではの香ばしさと、クリーミーな泡にあります。味わいを形づくる要素を、ひとつずつ見ていきましょう。

3-1. 焙煎した大麦が生む香ばしさ

ギネスの香ばしさは、麦芽にしていない大麦を深く焙煎した「ローストバーレイ」を原料の一部に使っていることによるものです。コーヒーやビターチョコ、トーストを思わせる香りと、ほのかな苦みが生まれます。甘さは控えめで、後味は名前のとおり「ドライ(辛口)」に切れていきます。

3-2. クリーミーな泡の正体は窒素

ギネス ドラフトのクリーミーな泡は、炭酸ガス(二酸化炭素)だけでなく窒素を使っていることが理由です。窒素は液体に溶けにくく、気泡が小さくなるため、きめ細かくもったりとした泡になります。

注いだ直後に、細かな泡が下へ降りていくように見える「サージ(沈む泡)」も、この窒素によるものです。泡が落ち着くと、クリーム状のきめ細かい層がグラスの上に残ります。

3-3. 見た目ほど高くない度数

黒く重厚な見た目から度数が高いと思われがちですが、ギネス ドラフトは約4.2〜4.5%、エクストラスタウトでも約5%と、一般的なビールと変わりません。しっかりした味わいながら飲みやすく、食事と合わせても重たくなりすぎないのがギネスの持ち味です。

4. ギネスの注ぎ方|2段階注ぎと「119.5秒」の待ち時間

ギネスをおいしく飲むには、注ぎ方が肝心です。本場では、樽生を2回に分けて注ぐ作法が受け継がれています。缶とグラスのポイントも合わせて押さえましょう。

4-1. 樽生(ドラフト)の2段階注ぎ

樽生のギネスは、グラスを45度ほど傾けて、まずグラスの約4分の3まで注ぎます。ここでいったん止め、細かな泡が沈んで黒い液体と白い泡の層に分かれるまで待ちます。この待ち時間こそ、きめ細かい泡の層をつくる要になります。

泡が沈んで層が分かれたら、グラスを立てて、ヘッド(泡)がグラスの縁からわずかに盛り上がるまで静かに注ぎ足します。ギネス社は、この2段階注ぎにかける時間の目安を「119.5秒」としています。急がず、2回に分けて仕上げるのがコツです。

4-2. 缶のウィジェットと冷やし方

缶のギネス ドラフトには、窒素を閉じ込めた小さなカプセル「ウィジェット」が入っています。これは1980年代後半に実用化された仕組みで、缶を開けると窒素が放出され、樽生に近いクリーミーな泡が再現されます。

缶は飲む数時間前から冷蔵庫で冷やしておき(冷凍庫での急冷は避けます)、グラスを傾けてひと息に注ぎきるのがポイントです。樽生のように2回に分ける必要はなく、注ぎきってから泡が落ち着くのを待ちます。

4-3. サージ&セトルを楽しむグラス

泡が沈んで落ち着く「サージ&セトル」の様子を楽しむなら、上がすぼまったチューリップ型のパイントグラスが向いています。透明なガラス越しに、泡が動く様子と深いルビー色の両方を目で味わえます。専用グラスが手元になければ、スリムパイントグラスが付いたドラフトギネスのギフトセットから始めるのも手です。

ドラフトギネス 330ml 缶 8本 専用スリムパイントグラス付き
ドラフトギネス 330ml 缶 8本 専用スリムパイントグラス付き
¥3,280

5. ギネスの飲み方・楽しみ方|温度と料理の合わせ方

注いだギネスは、温度と料理の組み合わせでさらに楽しめます。冷やしすぎない温度と、相性のよいつまみを知っておきましょう。

5-1. 適温は6度前後(冷やしすぎない)

ギネスは、よく冷やすラガーよりもやや高めの6度前後が適温とされています。冷やしすぎると麦芽の香ばしい香りが閉じてしまうため、キンキンに冷やすよりも、少し温度に余裕をもたせたほうが持ち味が開きます。

5-2. 料理との相性

ギネスは、本場アイルランドでは生牡蠣と合わせる定番の組み合わせがあります。焙煎香のある苦みは、脂ののった肉料理やソーセージ、香ばしいフライドポテトとも好相性です。

意外なところでは、ビターチョコレートとも響き合います。コーヒーを思わせる香ばしさが、カカオの苦みや甘みと重なり、食後の一杯としても楽しめます。

5-3. 家で楽しむコツ

家庭では、ウィジェット入りの缶を数時間冷やしておき、大きめのグラスへひと息に注ぐだけで、お店のような泡が楽しめます。グラスに油分が残っていると泡が消えやすいので、よく洗った清潔なグラスを使いましょう。アイルランド由来のお酒をもっと知りたい方は、アイリッシュウイスキーおすすめ10選も参考になります。

麻布十番でギネス・スタウトを楽しむなら:TOMIJAZのご案内

麻布十番のジャズバー TOMIJAZ のビールは3種(サッポロ エビス/カールスバーグ/ギネス ドラフト)で、スタウトは本記事で紹介したギネス ドラフトを1,200円でご用意しています。同じアイルランド生まれのお酒なら、アイリッシュウイスキーのジェムソン(グラス1,000円)もございます。苦みと好相性のソーセージ盛り合わせ(2,000円)やフライドポテト チーズのせ(1,500円)、食後にはチョコレート(1,500円)と合わせるのもおすすめです。ジャズの流れる落ち着いた空間で、黒く見えてルビー色に輝く一杯をどうぞ。なお、ライブ演奏は不定期で行っています。

所在地〒106-0045 東京都港区麻布十番2-8-3 ディケンズ麻布 3F
営業時間月〜水 19:00〜24:00(L.O. 23:30)/木・金 19:00〜翌2:00(L.O. 翌1:30)/土 19:00〜23:30(L.O. 23:00)
定休日日曜・祝祭日 ※土曜は不定休
アクセス東京メトロ南北線「麻布十番駅」4番出口/都営大江戸線「麻布十番駅」7番出口より徒歩3分
電話予約03-3454-5566 ※営業時間内のみ
ウェブ予約食べログ予約ページ

まとめ

ギネスビールは、アイルランド・ダブリン発祥のドライスタウトです。グラスの中では黒く見えますが、光に透かすと焙煎した大麦による深いルビー色が現れます。代表的なタイプはドラフト(約4.2〜4.5%)・エクストラスタウト(約5%)・フォーリン・エクストラ・スタウト(約7.5%)の3つで、日本で手に入りやすいのはドラフトとエクストラスタウトです。味わいの核は焙煎した大麦の香ばしい苦みと、窒素が生むクリーミーな泡。本場の樽生は、グラスの4分の3まで注いで泡を落ち着かせ、縁まで注ぎ足す2段階注ぎで仕上げます(ギネス社の目安は119.5秒)。6度前後のやや高めの温度で、牡蠣や肉料理、ビターチョコレートと合わせると持ち味が引き立ちます。麻布十番のジャズバーTOMIJAZでもギネス ドラフトを1,200円でご用意していますので、お気軽にカウンターまでお越しください。

よくある質問(FAQ)

ギネスビールはどんな種類のビールですか?

アイルランド生まれの「ドライスタウト」という濃色ビールです。焙煎した大麦による香ばしい苦みと、クリーミーな泡が特徴です。黒く見えますが、光に透かすと深いルビー色をしています。

ギネスの度数はどのくらいですか?

タイプによって異なり、ギネス ドラフトが約4.2〜4.5%、エクストラスタウトが約5%、フォーリン・エクストラ・スタウト(日本ではほとんど流通していません)が約7.5%です。重厚な見た目に反して、ドラフトは一般的なビールと変わらない度数です。

ギネスのクリーミーな泡はなぜできるのですか?

炭酸ガスだけでなく窒素を使っているためです。窒素は液体に溶けにくく気泡が小さくなるので、きめ細かくもったりとした泡になります。注いだ直後に泡が沈んでいくように見えるのも、この窒素によるものです。

ギネス(樽生)の正しい注ぎ方は?

2回に分けて注ぎます。まずグラスを傾けて約4分の3まで注ぎ、泡が沈んで層が分かれるまで待ちます。落ち着いたら、グラスを立てて縁からわずかに盛り上がるまで静かに注ぎ足します。ギネス社はこの2段階注ぎにかける時間の目安を119.5秒としています。

缶のギネスをおいしく飲むコツは?

缶には窒素入りのカプセル「ウィジェット」が入っています。数時間冷蔵庫で冷やし、大きめのグラスへひと息に注ぎきると、樽生に近いクリーミーな泡が再現できます。樽生のように2回に分ける必要はありません。

ギネスに合う料理は何ですか?

本場アイルランドでは生牡蠣が定番です。焙煎香のある苦みは、脂ののった肉料理やソーセージ、香ばしいフライドポテトともよく合います。食後には、ビターチョコレートと合わせるのもおすすめです。

適切な温度はどのくらいですか?

よく冷やすラガーよりやや高めの6度前後が適温です。冷やしすぎると麦芽の香ばしい香りが閉じてしまうため、キンキンに冷やすよりも少し余裕をもたせると、持ち味がよく開きます。

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この記事を書いた人

TOMIJAZ Bartenders(トミジャズ・バーテンダーズ)

麻布十番のジャズバーTOMIJAZの現役バーテンダーチーム。創業者・トミがニューヨーク20年・東京14年にわたり築いたジャズバーの歴史を、常連客からオーナーとなった株式会社Envalue代表の水野泰和が2022年11月より受け継いでいます。お酒・ジャズ・空間づくりに関する一次情報を、現場のカウンターから発信しています。

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