ジンフィズは、ジン・レモン果汁・砂糖(またはシロップ)・炭酸水で作る、爽やかで飲み口の軽いロングカクテルです。作り方の基本は「ジンとレモンと砂糖をシェイクし、氷を入れたグラスに注いで炭酸で満たす」だけ。分量の黄金比とシェイクのコツさえ押さえれば、家飲みでもバーの一杯に近い仕上がりを再現できます。
この記事では、ジンフィズの黄金比とレシピ、失敗しない作り方の手順、味を左右するおすすめのジンの選び方、シルバーフィズやラモス・ジン・フィズなどの派生カクテルまで、麻布十番のジャズバー TOMIJAZ のバーテンダー視点で詳しく解説します。
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1. ジンフィズとは|「フィズ」の意味と基本の味わい
ジンフィズとは、ジンをベースに、レモン果汁・砂糖・炭酸水を合わせたカクテルの総称です。「フィズ(Fizz)」は炭酸がはじける音を表す言葉で、スピリッツに柑橘と甘味を加えてシェイクし、ソーダで割るスタイルのカクテル群を指します。アルコール度数の目安は10〜14%前後と、ロングカクテルの中では標準的な強さです。
酸味・甘味・炭酸のバランスが主役
ジンフィズの魅力は、ジンのボタニカル(香草)の香りに、レモンの酸味とほのかな甘味、そして炭酸の刺激が重なる清涼感にあります。甘さと酸味のバランスは好みで調整でき、辛口が好きなら砂糖を控えめに、飲みやすさを重視するなら甘めに仕上げます。
ジンフィズは「サワー」の炭酸割りに近い構成です。ジン+レモン+砂糖をシェイクしたものが「ジンサワー」、それを炭酸で満たすと「ジンフィズ」になる、と覚えると分かりやすいでしょう。
誕生の背景
フィズ・スタイルのカクテルは、19世紀後半のアメリカで人気を集めました。バーテンダーの父と呼ばれるジェリー・トーマスの著作(1876年版)にもフィズが記載されており、炭酸水が広く普及した時代に生まれた、比較的歴史の長いクラシックカクテルのひとつです。
2. ジンフィズの黄金比とレシピ(材料と分量)
ジンフィズをおいしく作る鍵は、ジン・レモン・砂糖のバランスです。ここでは家庭でも作りやすい標準的な分量と、酸味・甘味を調整するための考え方を紹介します。あくまで基準となる比率なので、最終的にはご自身の好みで微調整してください。
標準レシピ(1杯分)
- ドライジン:45ml
- レモン果汁:20ml(レモン約1/2個分・できれば生搾り)
- 砂糖またはシュガーシロップ:1〜2tsp(約10ml)
- 炭酸水(無糖ソーダ):適量(グラスを満たす分・約60〜90ml)
- 氷:適量
ジン:レモン:砂糖 = おおよそ 4:2:1 が基準です。炭酸水は最後に「注いで満たす」ため厳密な分量は不要ですが、加えすぎると味が薄くなるので、グラスの八分目までを目安にします。
砂糖はシロップが扱いやすい
グラニュー糖でも作れますが、冷たい液体には溶けにくいため、あらかじめ水と砂糖を1:1で溶かした「シュガーシロップ(ガムシロップ)」を使うと均一に混ざります。シロップを使う場合は10ml前後を目安にし、甘さは味を見ながら加減します。
レモンは生搾りが基本
市販のレモン果汁でも作れますが、香りと酸のキレは生のレモンが格段に上です。カットしたレモンを搾り、種を除いて使います。レモンは生鮮品のため常温より冷やしておくと、仕上がりの温度が下がりにくくなります。
3. ジンフィズの作り方|失敗しない手順
材料がそろったら、実際の手順を確認しましょう。ポイントは「炭酸を加える前にしっかりシェイクする」ことと「炭酸を注いだ後は混ぜすぎない」ことの2つです。順番を守るだけで、家庭でも安定した味に仕上がります。
必要な道具
専用の道具がなくても作れますが、シェイカーがあると口当たりがまろやかになり、冷却も一段と進みます。以下の道具をそろえておくと、ジンフィズ以外のカクテルにも応用できます。
- シェイカー(ボストンシェイカー、またはコブラー型)
- メジャーカップ(ジガー・分量を正確に量るため)
- バースプーン(炭酸を加えた後に軽く混ぜる用)
- ロンググラス(タンブラー・240〜300ml程度)
道具を一式そろえたい方は、初心者向けのカクテルセットも通販で手に入ります。まずはシェイカーとメジャーカップから用意すると、レシピの再現性が高まります。
手順(ステップ)
- グラスに氷を入れて冷やしておく(この氷は最後まで使います)。
- シェイカーにジン・レモン果汁・砂糖(シロップ)と氷を入れる。
- 10〜15秒ほどしっかりシェイクし、全体を冷やして甘味を溶かす。
- 冷やしたグラスの氷はそのままに、シェイカーの中身を茶こし等で漉しながら注ぐ。
- 炭酸水を静かに注いでグラスを満たす。
- バースプーンで下から一度だけ持ち上げるように軽く混ぜる。
- お好みでレモンスライスを飾って完成。
シェイカーがない場合
シェイカーがなければ、フタ付きの密閉容器(清潔なジャムの瓶など)でも代用できます。それも難しい場合は、グラスの中で砂糖をシロップに替え、ジンとレモンをよく混ぜてから炭酸を加える「ビルド」で作ると、泡立ちは控えめでも十分に楽しめます。
4. ジンフィズに合うおすすめのジンの選び方
ジンフィズの味わいは、ベースに選ぶジンで大きく変わります。レモンと炭酸に負けない、ジュニパーベリー(ねずの実)の香りがしっかりしたロンドン・ドライ・ジンが基本の相性です。ここでは選び方の考え方と、代表的な銘柄を紹介します。
まずは定番のロンドン・ドライ・ジン
キリッとした辛口で、柑橘との相性が良いのがロンドン・ドライ・ジンです。クセが少なく、ジンフィズの基準となる味を作りやすいため、最初の1本におすすめです。バーの現場でも定番として愛用されるスタイルです。
香りを楽しむならクラフトジン
ボタニカルを個性的に配合したクラフトジンを使うと、ジンフィズの香りが一気に華やかになります。柑橘系や花のニュアンスを持つ銘柄は、レモンの酸味と重なって奥行きが生まれます。飲み比べて好みの香りを探すのも楽しみ方のひとつです。
ジンの度数はおおむね40〜47%と幅があります。度数が高いジンはシェイク後も香りが立ちやすい一方、仕上がりも強くなります。飲みやすさを重視するなら40%前後の銘柄から始めると調整しやすいでしょう。
ここからは、味を安定させるコツと派生カクテルを紹介します
5. 味を格上げする3つのコツと失敗例
同じレシピでも、ちょっとした工夫で仕上がりは大きく変わります。ここでは家飲みで実践しやすい3つのコツと、よくある失敗の原因を挙げます。
コツ1:材料とグラスをしっかり冷やす
ぬるい材料で作ると、氷が急速に溶けて味が薄まります。ジン・炭酸水・グラスをあらかじめ冷蔵庫やフリーザーで冷やしておくと、シャープでキレのある味に仕上がります。
コツ2:炭酸は「新鮮・強め」を選ぶ
開封して時間が経った炭酸水は気が抜け、フィズ特有の刺激が弱くなります。作る直前に開けた強炭酸のソーダを使うと、泡立ちと清涼感が際立ちます。
コツ3:甘味と酸味は最後に微調整
レモンの酸味は個体差があります。ひと口味見をして、酸っぱすぎればシロップを少し足し、甘すぎればレモンを数滴加えて整えます。完成前の微調整が、バランスの良い一杯への近道です。
よくある失敗と原因
- 味が薄い:炭酸を注ぎすぎ、または氷が溶けすぎ。炭酸は八分目まで。
- 泡がすぐ消える:炭酸が古い、または注いだ後に混ぜすぎ。
- 甘ったるい:砂糖が多い、またはレモンの酸が足りない。
- 香りが弱い:ジンの銘柄が軽すぎる、またはシェイクが不十分。
6. ジンフィズのバリエーション(派生カクテル)
ジンフィズは「フィズ」という大きなカクテル群の代表格で、卵やクリームを加えた発展形が数多く存在します。基本を覚えたら、次の派生にも挑戦してみましょう。
シルバーフィズ
ジンフィズに卵白を加えてシェイクしたもの。きめ細かい泡とまろやかな口当たりが特徴で、見た目も上品に仕上がります。卵白はしっかり空シェイク(氷なしで先に振る)すると泡立ちが安定します。
ゴールデンフィズ・ロイヤルフィズ
- ゴールデンフィズ:卵黄を加えたリッチなタイプ。コクと甘やかさが増します。
- ロイヤルフィズ:卵を丸ごと(卵白・卵黄)加えた、両者の中間的な味わい。
ラモス・ジン・フィズ
19世紀後半にアメリカ・ニューオーリンズで生まれたとされる名物カクテル。ジンフィズに卵白・生クリーム・オレンジフラワーウォーターなどを加え、長時間シェイクしてつくる、ふわりとした口当たりが特徴です。手間はかかりますが、バーで味わう価値のある一杯です。
生卵を使う派生カクテルは、鮮度と衛生管理に十分注意してください。心配な場合は、加熱殺菌済みの卵白製品を使うか、卵を使わないシルバーフィズ以外のレシピを選ぶと安心です。
ジンフィズと相性の良いシーン
軽やかで食事にも合わせやすいジンフィズは、食前の一杯や、料理と一緒に楽しむ食中酒としても優秀です。麻布十番のバーでは、ジャズの生演奏や落ち着いた音楽とともに、こうしたクラシックカクテルをゆっくり味わう時間が大人の定番になっています。
麻布十番のジャズバー TOMIJAZ では、タンカレーやボンベイ・サファイアといった定番のロンドン・ドライ・ジンに加え、ザ・ボタニスト、No.3、サイレントプールなど個性豊かなクラフトジンを取り揃えています。ジンフィズやジントニックはもちろん、その日の気分に合わせてバーテンダーが香りと度数のバランスをご提案します。ジャズの調べとともに、爽やかな一杯をぜひカウンターでお楽しみください。
| 所在地 | 〒106-0045 東京都港区麻布十番2-8-3 ディケンズ麻布 3F |
|---|---|
| 営業時間 | 月曜〜土曜 19:00〜翌2:00(L.O. 1:30) |
| 定休日 | 日曜・祝祭日 |
| アクセス | 東京メトロ南北線「麻布十番駅」4番出口/都営大江戸線「麻布十番駅」7番出口より徒歩3分 |
| 電話予約 | 03-3454-5566 ※営業時間内のみ |
| ウェブ予約 | 食べログ予約ページ |
まとめ
ジンフィズは、ジン・レモン・砂糖・炭酸水で作る、爽やかで軽やかなロングカクテルです。基準となる黄金比は「ジン45ml:レモン20ml:砂糖10ml(約4:2:1)」で、炭酸はグラスの八分目まで注ぐのが目安です。
おいしく作る鍵は、材料とグラスをしっかり冷やすこと、炭酸を加える前にきちんとシェイクすること、そして炭酸を注いだ後は混ぜすぎないことの3点です。ベースに選ぶジンでも味わいが変わるため、まずは辛口のロンドン・ドライ・ジンから始め、慣れたらクラフトジンで香りの違いを楽しむのがおすすめです。シルバーフィズやラモス・ジン・フィズといった派生にも、ぜひ挑戦してみてください。
よくある質問(FAQ)
- ジンフィズとジントニックの違いは何ですか?
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どちらもジンベースのロングカクテルですが、割り材が異なります。ジンフィズはレモン・砂糖・炭酸水で作る甘酸っぱい味わい、ジントニックはトニックウォーター(甘みと苦みのある炭酸飲料)で割ったほろ苦い味わいです。ジンフィズはシェイクして作るのに対し、ジントニックはグラス内で直接混ぜて作るのが一般的です。
- ジンフィズのアルコール度数はどのくらいですか?
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使うジンの度数や炭酸の量によりますが、おおむね10〜14%前後が目安です。40%前後のジンを45ml使い、炭酸で満たすと、ビールより少し強い程度に落ち着きます。甘味と炭酸で飲みやすいため、飲み過ぎには注意してください。
- シェイカーがなくても作れますか?
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作れます。フタ付きの密閉容器で代用するか、グラスの中でジン・レモン・シロップをよく混ぜてから炭酸を加える「ビルド」でも十分楽しめます。ただしシェイクした方が全体が冷え、口当たりがまろやかになります。
- 砂糖の代わりにガムシロップを使ってもいいですか?
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はい、むしろおすすめです。冷たい液体には砂糖が溶けにくいため、あらかじめ溶かしたガムシロップ(シュガーシロップ)を使うと味が均一になります。分量は10ml前後を目安に、好みで調整してください。
- ジンフィズに合うジンのおすすめは?
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まずは辛口で柑橘と相性の良いロンドン・ドライ・ジン(タンカレーやボンベイ・サファイアなど)が基本です。香りを楽しみたい場合は、ボタニカルが個性的なクラフトジンを選ぶと、華やかなジンフィズに仕上がります。
- 炭酸がすぐ抜けてしまいます。原因は?
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主な原因は、炭酸水が古い(気が抜けている)ことと、注いだ後に混ぜすぎていることの2つです。作る直前に開けた強炭酸を使い、仕上げは「一度だけそっと」混ぜるようにしてください。
- シルバーフィズとは何ですか?
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ジンフィズに卵白を加えてシェイクした派生カクテルです。きめ細かい泡とまろやかな口当たりが特徴で、見た目も上品になります。生卵を使うため、鮮度と衛生管理には十分ご注意ください。
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TOMIJAZ Bartenders(トミジャズ・バーテンダーズ)
麻布十番のジャズバーTOMIJAZの現役バーテンダーチーム。創業者・トミがニューヨーク20年・東京14年にわたり築いたジャズバーの歴史を、常連客からオーナーとなった株式会社Envalue代表の水野泰和が2022年11月より受け継いでいます。お酒・ジャズ・空間づくりに関する一次情報を、現場のカウンターから発信しています。

