「ギムレットの作り方が知りたい」「ジンとライムの黄金比はどれくらい?」「コーディアルと生ライム、どちらを使うべき?」──ギムレットは名前こそ知られていても、いざ作ると味が決まりにくいカクテルです。実は、ギムレットはジンをライムジュースで割ったジンベースの定番ショートカクテルで、黄金比は「ジン3:ライム1」が現代の基本。本記事では、作り方の手順、ライムコーディアルと生ライムの違い、ベースジンの選び方、アレンジまで、麻布十番のジャズバーTOMIJAZが解説します。
ギムレットは「ジン+ライムジュース」のシンプルな構成。黄金比はジン3:ライム1が現代の標準で、レイモンド・チャンドラーが小説で描いた「ジン半分・ローズ社のライムジュース半分」という濃厚版も有名です。シェイクで作る手順、ライムコーディアルと生ライムの違い、タンカレーやボンベイ・サファイアなどベースジンの選び方、関連カクテルまでを一気に解説します。
ギムレットの語源には諸説あり、船上で壊血病予防のライムジュースをジンで割って飲みやすくした19世紀イギリス海軍の軍医トーマス・ギムレットに由来するという説と、樽に穴を開ける工具「gimlet(ジムレット)」に由来するという説が知られています。いずれにせよ、航海とライムという歴史的背景が、この一杯の輪郭を形づくっています。
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1. ギムレットとは|ジンベースの定番ショートカクテル
ギムレットは、ジンをライムジュース(多くはライムコーディアル)で割ったジンベースのショート・カクテルです。シェイクして冷たく仕上げ、カクテルグラスに注いで提供します。マティーニと並ぶジン・カクテルの古典で、シャープな酸味とジンの香りが調和した、大人の定番として世界中のバーで親しまれています。
1-1. ギムレットの基本構成
ギムレットの構成はきわめてシンプルで、材料はジンとライムジュースの二つだけが基本です。甘みはライムコーディアルの糖分でつけるか、生ライムを使う場合はシュガーシロップを少量加えます。装飾としてライムのスライスやピールを添えることもありますが、味の骨格はあくまでジンとライムの二本柱で決まります。
- ベース:ドライジン(ロンドン・ドライが定番)
- 酸味・甘み:ライムコーディアル、または生ライム+シュガーシロップ
- 技法:シェイク(一部レシピはステア)
- グラス:カクテルグラス(ソーサー型・脚付き)
1-2. アルコール度数の目安
ギメットのアルコール度数は、ベースジン(度数40〜47%前後)をシェイクの氷で適度に加水することで、おおむね25〜30%前後に落ち着きます。ショート・カクテルとしては強めの部類で、少量をゆっくり味わうのが基本です。ジンの度数やライムの比率によって仕上がりは変わるため、飲みごたえは好みで調整できます。
1-3. マティーニとの違い
同じジンベースの古典でも、マティーニがジンとドライ・ベルモットの組み合わせであるのに対し、ギムレットはジンとライムの組み合わせである点が決定的に異なります。マティーニがドライで香り主体なのに対し、ギムレットは柑橘の酸味と甘みが加わり、より親しみやすい味わいです。ジン・カクテル入門にはギムレットが向くとよく言われます。
2. ギムレットの黄金比|ジンとライムの比率
ギムレットの味を左右する最大の要素が、ジンとライムの比率です。現代のバーで標準とされるのは「ジン3:ライム1」ですが、歴史的にはより濃厚な比率も語り継がれてきました。ここでは代表的な三つの黄金比を、味わいの違いとともに整理します。
2-1. 現代の標準:ジン3:ライム1
もっとも汎用性が高いのがジン45ml:ライムコーディアル15ml(3:1)の比率です。ジンの香りを主役に保ちつつ、ライムの酸味と甘みでキレを加えるバランス型で、多くのバーテンダーが基準に置きます。初めて自宅で作るなら、まずこの比率から始めると失敗しません。
2-2. 濃厚な古典:ジン1:ライム1(チャンドラー流)
作家レイモンド・チャンドラーは小説『ロング・グッドバイ』(1953年)で、登場人物にこう語らせています──「本当のギムレットはジン半分とローズ社のライムジュース半分、それだけだ」。この1:1はライムの甘酸っぱさが前面に出る濃厚な味わいで、コーディアルの甘みが強いぶん、食前よりも食後やゆっくり飲む場面に向きます。
2-3. ドライ志向:ジン4:ライム1
ジンの個性をより際立たせたい場合は、ジン4:ライム1とライムを控えめにします。クラフトジンの複雑なボタニカルを味わいたいときや、辛口を好む方に向く比率です。生ライムを使う場合は、酸味が立ちやすいためシュガーシロップで甘みを微調整すると全体がまとまります。
どの比率が正解ということはありません。ライムコーディアルは製品ごとに甘さと酸味が異なり、ジンの度数や個性も銘柄で変わります。まず3:1で作り、そこから「もう少しドライに」「もう少し甘く」と自分の一杯へ寄せていくのが上達の近道です。
3. ギムレットの作り方【基本レシピ】
ここでは家庭でも再現しやすい、シェイクによる基本レシピを手順で解説します。特別な材料は不要で、シェイカーとメジャーカップがあれば本格的な一杯に近づけます。分量は「ジン3:ライム1」を基準にしています。
3-1. 材料(1杯分)
- ドライジン……45ml
- ライムコーディアル……15ml(生ライムの場合はライムジュース15ml+シュガーシロップ1tsp)
- 氷……適量
- ライムスライス(飾り・任意)
道具はボストンシェイカーまたはコブラーシェイカー、分量を正確に測るメジャーカップ(ジガー)を用意します。正確な計量は味の再現性に直結するため、目分量ではなくメジャーカップを使うことをおすすめします。
3-2. 作り方の手順
- ①冷やす:カクテルグラスに氷と水を入れて冷やしておく
- ②注ぐ:シェイカーにジンとライムコーディアルを注ぐ
- ③氷を入れる:シェイカーに氷をたっぷり入れる
- ④シェイク:全体が冷えて表面に霜がつくまで、リズミカルに10〜15回振る
- ⑤注ぐ:冷やしておいたグラスの水を捨て、茶こしでこしながら注ぐ
- ⑥飾る:好みでライムスライスを添えて完成
3-3. 美味しく作る3つのコツ
①ジンとグラスをよく冷やす。②シェイクは「冷やす・薄める・混ぜる」が目的なので振りすぎない。③ライムコーディアルの銘柄で甘さが変わるため、味見をして比率を微調整する。この3点を押さえるだけで、家庭でもバーの一杯に近づきます。
シェイクは長く振るほど良いわけではありません。氷が過度に溶けると水っぽくなるため、表面に霜がつく程度で止めるのが目安です。グラスが常温だと注いだ瞬間に温度が上がってしまうので、事前の冷却を怠らないことが仕上がりを大きく左右します。
4. ライムの選び方|コーディアルと生ライム
ギムレットの個性を決めるもう一つの主役がライムです。伝統的なライムコーディアルを使うか、生ライムを絞るかで、味わいも手間も大きく変わります。それぞれの特徴を理解して使い分けましょう。
4-1. ライムコーディアル(伝統派)
ギムレットの原型はローズ社のライムジュース・コーディアルを使うものでした。コーディアルは果汁を糖分とともに濃縮・保存した製品で、1867年にスコットランドのローチェン・ローズが世界で初めて実用化した「アルコールを使わない果汁保存法」に由来します。甘みと酸味があらかじめ整っているため、これ一本で味が決まりやすく、伝統的な味わいを再現できるのが利点です。
4-2. 生ライム(フレッシュ派)
生のライムを絞る方法は、果実そのものの華やかな香りと鮮烈な酸味が魅力です。ただし糖分が含まれないため、シュガーシロップで甘みを補う必要があります。フレッシュな一杯を求める現代的なバーでは生ライムを使うことも多く、コーディアルとはっきり異なるシャープな味に仕上がります。なお、生ライムやミント、レモンなどの生鮮素材は本記事では味づくりの説明にとどめ、通販での購入は用途に応じてご判断ください。
4-3. コーディアルと生ライムの使い分け
- 手軽さ・再現性重視→ライムコーディアル
- 香りの鮮烈さ・現代的な味重視→生ライム+シュガーシロップ
- チャンドラー流の濃厚な古典→ライムコーディアルで1:1
- クラフトジンの個性を活かす→生ライムでドライめに
5. ギムレットに合うベースジンの選び方
ギムレットはジンの香りがそのまま味に表れるため、ベース選びが仕上がりを大きく左右します。ここでは方向性の異なる定番ジンを取り上げ、それぞれがギムレットにもたらす個性を紹介します。
5-1. タンカレー(キレ重視の王道)
タンカレーは力強いジュニパー(杜松の実)の香りとシャープなキレが特徴のロンドン・ドライ・ジンです。ライムの酸味と真正面から噛み合い、輪郭のはっきりしたクラシックなギムレットに仕上がります。「まず基準の一杯を作りたい」という方に最適なベースです。
5-2. ボンベイ・サファイア(華やかなボタニカル)
ボンベイ・サファイアは10種のボタニカルによる華やかで軽やかな香りが持ち味です。ライムと合わせると爽やかさが増し、香り高くエレガントなギムレットになります。ジンの青々しさが苦手な方にも親しみやすい、間口の広い一本です。
5-3. クラフトジンで個性を出す
近年人気のクラフトジンを使えば、ギムレットの表情は大きく広がります。柑橘やハーブを効かせた銘柄はライムとの相性がよく、ジン4:ライム1のドライめにしてボタニカルを引き立てるのがおすすめです。ザ・ボタニストやNo.3といった個性派を使うと、定番とは一味違う一杯を楽しめます。
6. ギムレットのアレンジと関連カクテル
基本のギムレットを覚えたら、関連するジン・カクテルにも視野を広げてみましょう。少しの違いで別の名前を持つカクテルへと変化する、その連続性がクラシック・カクテルの面白さです。
6-1. ギムレット・オン・ザ・ロック
カクテルグラスではなく、氷を入れたロックグラスにビルドすればギムレット・ロックになります。ゆっくり飲めて度数もやわらぎ、食事と合わせやすいのが利点。シェイクの手間なく作れるため、家飲みでも気軽に楽しめます。
6-2. ギムレットとギムレット系の派生
- ジンフィズ:ジン+レモン+砂糖+炭酸。爽快なロング・カクテル
- ホワイトレディ:ジン+コアントロー+レモン。ギムレットと同系統の酸味系
- ジンリッキー:ジン+ライム+炭酸(無糖)。よりドライで軽快
- マティーニ:ジン+ドライ・ベルモット。ジン・カクテルの頂点
ライムを炭酸で割ればジンリッキー、レモンとコアントローを合わせればホワイトレディと、材料をひとつ替えるだけで世界が広がります。ギムレットを起点に、こうした古典を順に試していくと、ジン・カクテルの体系が自然と身についていきます。
麻布十番のジャズバー TOMIJAZ では、タンカレー、ボンベイ・サファイア、ザ・ボタニスト、No.3、サイレントプールなど、王道からクラフトまで幅広いジンを取り揃えています。ジントニックやジンバック、パリジャンといった定番はもちろん、ギムレットのようなクラシック・カクテルも、お客様のお好みに合わせてバーテンダーが黄金比を調整してご提案します。ジャズの調べとともに、ジンとライムが織りなす一杯の奥行きをぜひお楽しみください。
| 所在地 | 〒106-0045 東京都港区麻布十番2-8-3 ディケンズ麻布 3F |
|---|---|
| 営業時間 | 月曜〜土曜 19:00〜翌2:00(L.O. 1:30) |
| 定休日 | 日曜・祝祭日 |
| アクセス | 東京メトロ南北線「麻布十番駅」4番出口/都営大江戸線「麻布十番駅」7番出口より徒歩3分 |
| 電話予約 | 03-3454-5566 ※営業時間内のみ |
| ウェブ予約 | 食べログ予約ページ |
まとめ
ギムレットはジンをライムジュースで割ったジンベースの定番ショート・カクテルで、黄金比はジン3:ライム1が現代の標準です。レイモンド・チャンドラーが描いた1:1の濃厚版や、ジンを立たせる4:1のドライ版など、比率は好みで調整できます。味の決め手はライム選びで、手軽さと再現性ならライムコーディアル、香りの鮮烈さなら生ライム+シュガーシロップが向きます。ベースジンはタンカレーで王道、ボンベイ・サファイアで華やか、クラフトジンで個性派と、選ぶ一本で表情が変わります。麻布十番のジャズバーTOMIJAZでは、お好みに合わせた一杯を必ずご提案できますので、お気軽にカウンターまでお越しください。
よくある質問(FAQ)
- ギムレットの黄金比は何対何ですか?
-
現代のバーで標準とされるのはジン3:ライムジュース1(ジン45ml:ライムコーディアル15ml)です。ジンの香りを主役に保ちつつライムでキレを加えるバランス型で、まずこの比率から始めると失敗しません。より濃厚にしたい場合は1:1、ドライにしたい場合は4:1と好みで調整できます。
- ギムレットのアルコール度数はどれくらいですか?
-
ベースジン(度数40〜47%前後)をシェイクの氷で加水するため、仕上がりはおおむね25〜30%前後になります。ショート・カクテルとしては強めの部類なので、少量をゆっくり味わうのがおすすめです。ジンの度数やライムの比率で飲みごたえは変わります。
- ライムコーディアルと生ライムはどちらが良いですか?
-
目的によります。手軽さと味の再現性を求めるならライムコーディアル、あらかじめ甘みと酸味が整っているため一本で味が決まります。香りの鮮烈さや現代的な味わいを求めるなら生ライム+シュガーシロップが向きます。伝統的な味を再現したい場合はコーディアルが本流です。
- ギムレットはシェイクとステアのどちらで作りますか?
-
一般的にはシェイクで作ります。ライムコーディアルや生ライムは比重があり混ざりにくいため、しっかり混ぜて冷やせるシェイクが向くためです。振りすぎると水っぽくなるので、表面に霜がつく程度で止めるのがコツです。
- ギムレットに合うジンのおすすめは?
-
キレのある王道ならタンカレー、華やかなボタニカルを楽しむならボンベイ・サファイアが定番です。個性を出したい場合はザ・ボタニストやNo.3などのクラフトジンを使い、ジン4:ライム1のドライめにすると香りが引き立ちます。
- ギムレットの名前の由来は何ですか?
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諸説あります。船上で壊血病予防のライムジュースをジンで割って飲みやすくした19世紀イギリス海軍の軍医トーマス・ギムレットに由来するという説と、樽に穴を開ける工具「gimlet」に由来するという説が知られています。いずれも航海とライムにまつわる背景を持ちます。
- マティーニとギムレットの違いは何ですか?
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合わせる副材料が異なります。マティーニはジンとドライ・ベルモットの組み合わせで香り主体のドライな味わい、ギムレットはジンとライムの組み合わせで柑橘の酸味と甘みが加わります。ギムレットのほうが親しみやすく、ジン・カクテル入門に向くとよく言われます。
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TOMIJAZ Bartenders(トミジャズ・バーテンダーズ)
麻布十番のジャズバーTOMIJAZの現役バーテンダーチーム。創業者・トミがニューヨーク20年・東京14年にわたり築いたジャズバーの歴史を、常連客からオーナーとなった株式会社Envalue代表の水野泰和が2022年11月より受け継いでいます。お酒・ジャズ・空間づくりに関する一次情報を、現場のカウンターから発信しています。

